第65回カンヌ国際映画祭：注目のコンペティション作品発表 ： 映画と。

5/16〜27まで開催される第65回カンヌ国際映画祭。最高賞パルムドールを競うコンペティション部門のラインアップ20作品が発表された。残念ながら、日本人監督の作品は選出されなかったが、イランのアッバス・キアロスタミ監督が日本で撮影した『LIKE SOMEONE IN LOVE』がノミネートされた。高梨臨や加瀬亮ら日本人キャストが出演している。

今年はケン・ローチやミヒャエル・ハネケといった巨匠の新作のほか、『預言者』のジャック・オディアールや『ゴモラ』のマッテオ・ガローネなどの新作にも期待が高まる。また個人的には、出演俳優に美女とイケメンが多いな、という印象も。例年よりレッドカーペットが華やかになりそうな予感（『コントロール』で若きカリスマを演じたサム・ライリーがお気に入りなので、『ON THE ROAD』のレッドカーペットが気になるところ）。

オープニングを飾るのはウェス・アンダーソン監督の新作『MOONRISE KINGDOM』。『ダージリン急行』でコンビを組んだローマン・コッポラとの共同脚本となる。出演はブルース・ウィリス、エドワート・ノートン、ビル・マーレー、ティルダ・スウィントンと主役級がズラリ。日本での公開も期待したい。

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■コンペティション作品一覧　(※はカンヌ映画祭での受賞)

▼DE ROUILLE ET D’OS
監督：ジャック・オディアール(フランス) ※『預言者』(09)でグランプリ受賞
出演：マリオン・コティヤールほか

▼HOLY MOTORS
監督：レオス・カラックス(フランス) ／『ポンヌフの恋人』（91）
出演：エヴァ・メンデス、カイリー・ミノーグ、ミシェル・ピコリほか

▼COSMOPOLIS
監督：デヴィッド・クローネンバーグ(カナダ) ※『クラッシュ』(96)で審査員特別賞受賞
出演：ロバート・パティンソン、ジュリエット・ビノシュほか

▼THE PAPERBOY
監督：リー・ダニエルズ(アメリカ)／『プレシャス』（09）
出演：ザック・エフロン、マシュー・マコノヒーほか

▼KILLING THEM SOFTLY
監督：アンドリュー・ドミニク(アメリカ)／『ジェシー・ジェームズの暗殺』（07）
出演：ブラッド・ピット、レイ・リオッタ、リチャード・ジェンキンスほか

▼REALITY
監督：マッテオ・ガローネ(イタリア) ※『ゴモラ』(08)でグランプリ受賞
出演：クラウディア・ジェリーニほか

▼LOVE
監督：ミヒャエル・ハネケ(オーストリア) ※『ピアニスト』(01)でグランプリ受賞、『隠された記憶』(2005)で監督賞受賞、『白いリボン』(05)でパルムドール受賞
出演：イザベル・ユペール、ジャン＝ルイ・トランティニャンほか

▼LAWLESS
監督：ジョン・ヒルコート(オーストラリア)／『ザ・ロード』(09)
出演：シャイア・ラブーフ、トム・ハーディ、ジェシカ・チャステイン、ミア・ワシコウスカ、ゲイリー・オールドマンほか

▼IN ANOTHER COUNTRY
監督：ホン・サンス(韓国)／『アバンチュールはパリで』(08)

▼THE TASTE OF MONEY
監督：イム・サンス(韓国)／『ハウスメイド』(10)
出演：キム・ガンウ、キム・ヒョジンほか

▼LIKE SOMEONE IN LOVE
監督：アッバス・キアロスタミ(イラン) ※『桜桃の味』(97)でパルムドール受賞
出演：奥野匡、高梨臨、加瀬亮、でんでんほか

▼THE ANGELS’ SHARE

監督：ケン・ローチ(イギリス) ※『麦の穂をゆらす風』(06)でパルムドール受賞
出演：ロジャー・アラン、ジョン・ヘンショウほか

▼IN THE FOG
監督：セルゲイ・ロスニツァ (ウクライナ)／「My Joy」(10)

▼BEYOND THE HILLS
監督：クリスティアン・ムンジウ(ルーマニア) ※『4ヶ月、3週と2日』(07)でパルムドール受賞

▼AFTER THE BATTLE
監督：ユースリー・ナスラッラー(エジプト)／「The Gate of Sun」(04)

▼VOUS N’AVEZ ENCORE RIEN VU
監督：アラン・レネ(フランス) ／『風にそよぐ草』(09)
出演：セビーヌ・アゼマほか

▼POST TENEBRAS LUX
監督：カルロス・レイ・ガダス(メキシコ) ／「ハポン」(02)

▼ON THE ROAD
監督：ウォルター・サレス(ブラジル)／「セントラル・ステーション」(98)
出演：ギャレット・ヘドランド、サム・ライリー、クリステン・スチュワートほか

▼PARADISE : Love
監督：ウルリッヒ・ザイドル(オーストリア)／「Import/Export」(07)

▼THE HUNT
監督：トマス・ヴィンターベア(デンマーク) ※「セレブレーション」(98)で審査委員賞受賞

オープニングとクロージングのセレモニーでは、『アーティスト』(11)で新人女優を演じたベレニス・ベジョ（フランス）がホスト役を務める。審査委員長に決定したイタリア人監督のナンニ・モレッティは、「映画監督として、いつも興奮を覚えながら自分の作品をカンヌで発表してきました。世界でもっとも名高い国際映画祭の審査員長を務めることは喜びであり名誉でありますが、重大な責任も伴います」とコメントしている。

文：鈴木こより

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