【TIFF】LOST LAND/ロストランド(Nippon Cinema Now)

ベネチア映画祭三冠!2026年4月公開

2025年の東京国際映画祭で観た作品の中でも、特に印象に残ったのが本作だった。途中までドキュメンタリーだと思って観ていたぐらい画面からは緊迫した空気が伝わり、主人公である小さな姉弟の表情が頭から離れない。後で資料を読むと、「主演をつとめたシャフィとソミーラの姉弟をはじめ、総勢200名を超えるロヒンギャたちが出演する長編映画は世界初であり、演技未経験ながら故郷を追われた当事者である」とのこと。たしかにとてもリアルだった。

ニュースなどでもロヒンギャ難民については報道されており、何となく知っていたつもりになっていたが、本作を観てはじめて彼らが置かれている状況を知り、ショックを受けた。なぜ彼らは迫害されているのか、なぜ生まれ育った土地を追われなければならないのか。学校に通い、家族と一緒に暮らすということが、なぜ許されないのか。

姉弟の逃避行を追うカメラが、ミャンマーにおけるイスラム教徒の立場や彼らの密航を阻む犯罪組織、闇ビジネスの存在について、緊張感を待たせつつ雄弁に語る。

観た後も彼らのことが気になって、ひたすらスマホでロヒンギャ難民の救済について検索していた。日本でも群馬県館林市では十数年も前から彼らを受け入れて多くのロヒンギャの人が暮らしているようだ。自分には何ができるのだろうか、と考えされられる。このように観た人の心を動かす本作が、国際映画祭で上映されたことはとても大きな意味がある。上映後にも大きな反響があったようで、一般公開も決定したようだ。一人でも多くの人に見てもらえたらと思える作品。

2026年4月公開

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