【カンヌ国際映画祭】「Sleeping Beauty」 エミリー・ブラウニングが体当たりで魅せた、眠れる美女

(コンペティション部門)

映画祭2日目、オーストラリアの女性監督ジュリア・リーの『Sleeping Beauty(原題)』がコンペティション部門で上映された。作家として活動してきた彼女の初監督作品となる。主演のエミリー・ブラウミングらとともにレッドカーペットに登場したリー監督は、カンヌで華々しく映画監督デビューを飾った。

Rachel Blake, Julia Leigh, Emily Browning, Jessica Brentnall - Red Steps - Sleeping Beauty(c) AFP

川端康成の『眠れる美女』からインスパイアされたという本作は、裕福な老人が町外れにある館を訪れ、薬で眠らされた美女と一晩を共にするというショッキングな内容。川端康成の原作小説が老人の視点で書かれているのに対し、本作は学費のために「眠れる美女」のアルバイトをする女子大生ルーシーの視点で描かれている。

眠れる美女を演じたのは、今春、日本でも公開された『エンジェル・ウォーズ』の主演女優エミリー・ブラウミング。エミリーは記者会見で、「ルーシー役を演じることは私にとって挑戦でした。キャラクター作りにおいては『アンチクライスト』のシャルロット・ゲンズブールを参考にしました。勇敢な演技ですよね」と語っていたが・・・。たしかに美しい裸体を惜しげもなく披露し、体当たりの演技で次第に追い詰められていくキャラクターを演じきっている彼女は『アンチクライスト』のシャルロットを想起させる。
記者会見での堂々とした振る舞いといい、本作でみせた覚悟の演技といい、大女優の片鱗を感じさせる彼女にこれからも目が離せない。

※『スリーピング ビューティー 禁断の悦び』という邦題が決定し、2011年11月5日(土) よりシネマート新宿ほか全国にて順次公開される。

監督:ジュリア・リー
出演:エミリー・ブラウニング、マイケル・ドーマン、ミラ・フォークス
制作:オーストラリア/2011年/1時間44分
配給:クロックワークス

取材・文 鈴木こより

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