【TIFF_2013】新たな25年へ向けて新編成

コンペティションの傾向は<闘う>映画がキーワード

10/17(木)から開催される第26回東京国際映画祭(TIFF)の記者会見が19日、六本木ヒルズで行われ、注目の上映作品が発表された。メイン部門のコンペティションでは、1,463本の応募作品の中から予備審査を経た15作品が、最高賞の“東京 サクラ グランプリ”を競う。

左から深田晃司監督、二階堂ふみさん、栗山千明さん、榊英雄監督

記者会見には、コンペティションに選ばれた『ほとりの朔子』の深田晃司監督と女優の二階堂ふみ、同じくコンペティションの『捨てがたき人々』の榊英雄監督のほか、今年のフェスティバル・ミューズを務める栗山千明が登壇し、それぞれ喜びを語った。(※コメントはページ下記に記載)
矢田部吉彦プログラミング・ディレクターは、今年のコンペティションの傾向について、<闘う映画、抵抗する映画>がキーワードだと語る。国の体制、古い世代からの常識に闘いを挑む人々の物語、また保守的になりがちな映画界の風潮の中でもチャレンジ精神を失わずに戦う監督たちの作品が多いという。

今年のTIFFは主要部門の新編成が行われ、「コンペティション」のほか、エンタテインメント性の高い最新作をいち早く紹介する「特別招待作品」、新進気鋭のアジアの監督が競う「アジアの未来(新部門)」、カンヌなど世界の映画祭で話題の日本公開未決定作品を取り上げる「ワールド・フォーカス(リニューアル)」、海外進出を狙うインディペンデント作品を紹介する「日本映画スプラッシュ(リニューアル)」が設けられている。
映画祭のオープニングを飾るのは、主演トム・ハンクスが久々にアクションに挑戦した『キャプテン・フィリップス』。クロージングは三谷幸喜監督の新作『清須会議』で、役所広司、大泉洋ほか総勢26名のオールスター・キャストによる歴史エンタテインメント大作が映画祭を締めくくる。

トム・ハンクスやロバート・デ・ニーロなどハリウッド・スターをはじめ、各国から多くのゲストが来日する予定で、今年はオープニングだけでなく、連日、グリーンカーペットにゲストが登場することになっている。オープニングでは円谷プロ創立50周年を記念した目玉企画のひとつとして、「ウルトラ怪獣総選挙」で選ばれた人気怪獣TOP5(ゼットン、バルタン星人、ゴモラ、メトロン星人、カネゴン)もグリーンカーペットを大行進。他にも「8Kシアター(現行ハイビジョンの16倍の超高精画像)」での上映会など、子供から大人まで楽しめるようなスペシャルイベントが盛りだくさんで、例年にない盛り上がりをみせそうな予感だ。

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『ほとりの朔子』(コンペティション部門)
二階堂ふみを主演に迎え、日本でヨーロッパ映画を作るという大胆な試みが成功した作品。前作『歓待』(レビュー)で「ある視点部門」作品賞(23th)を受賞した、深田晃司監督の新作。ひと夏の少女の成長物語を描く。
深田晃司監督コメント「前作『歓待』はTIFFでの受賞をきっかけに世界の映画祭に呼んでもらえたのですが、世界を相手に映画を作るということを学ぶことができました。新作がコンペティションで上映できることは本当に光栄で、監督冥利に尽きると思っています」。
二階堂ふみさんコメント「現場で台本が渡されることもあったので、休憩時間に共演の鶴田真由さんと二人でセリフを合わせたりしてました。監督自らが「こういう風にやって」と動いて演出してくださったので面白かったです」。

『捨てがたき人々』(コンペティション部門)
ジョージ秋山の原作で、大森南朋主演。人間の欲望と因果応報を正面から描いた骨太なドラマ。エロスの中に人間の本性と、本能に従って生きることの難しさが描かれる。榊英雄監督の地元・長崎県でオール・ロケーション撮影。
榊英雄監督コメント「歴史ある東京国際映画祭に参加できて光栄です。この原作を選んだ理由には、僕自身が直面している課題ということもありました。地元で撮ったことで自分のルーツを探ることができました。ただ、同級生をこき使って嫌われたかもしれません(笑)」。


第26回東京国際映画祭
期間:2013年10月17日(木)〜10月25日(金)9日間
場所:六本木ヒルズ(港区)をメイン会場に、都内の各劇場及び施設・ホールを使用
公式サイト:http://tiff.yahoo.co.jp/2013/jp/tiff/outline.php

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