【TIFF_2013】アジアの未来部門作品一覧

プログラミング・ディレクターによるコメント付き作品紹介

2013年09月26日（木）

「祈りの雨」

10/17（木）から開催される第26回東京国際映画祭（TIFF）の上映作品が先日発表され、「コンペティション」「アジアの未来」「ワールド・フォーカス」の主要部門についてはプログラミング・ディレクターによる作品紹介が行われた。
今年新設された「アジアの未来」部門は、アジア限定版の新ヤング・コンペティションという位置づけで、新進気鋭の監督作品がアジアプレミア上映される。
以下、プログラミング・ディレクターのコメントを引用して、全作品を紹介したい。（「コンペティション」「ワールド・フォーカス」の欧米作品は矢田部吉彦氏、「アジアの未来」「ワールド・フォーカス」のアジア作品は石坂健治氏が紹介を担当）

■「アジアの未来」部門　8作品
審査委員長：青山真治（映画作家）
審査委員ジェイコブ・ウォン（香港国際映画祭キュレーター）、野島孝一（映画ジャーナリスト）

『空っぽの家』（トルコ）
監督：デニズ・アクチャイ
出演：アーフ・テュルクペンジェ、ラーレ・バシャル、サヴァシ・アルプ・バシャル
家族の崩壊と再生、愛などコミュニケーション再生を描いた作品。
石坂PDコメント「普遍的なテーマを丁寧に描いている。トルコのテクニシャン監督の誕生」。

『流れ犬パアト』（イラン）
監督：アミル・トゥーデルスタ
出演：モスタファ・ササニ、サイード・ソヘイリ、ソニヤ・サンジャリ
犬の名演技に脱帽。犬の目を通してみた人間社会の光と影。
石坂PDコメント「犬の目から人間の裏の社会を見ていく。イランには子供の目を通して社会を批判するという作品があるが、これはその犬バージョンか」。

『祈りの雨』（インド＝イギリス）
監督：ラヴィ・クマール
出演：マーティン・シーン、ミーシャ・バートン、カル・ペン
マーティン・シーンとミーシャ・バートンが共演。化学工場の事故を描いた実話ドラマ。
石坂PDコメント「インド映画生誕100年で、ニューウェ−ヴ的な動きが起こっているとしたら、私はインドとフィリピンだと思う。30年前の実話を描いているが、今の日本の状況と重なるものがある」。

『レコーダー目撃者』（フィリピン）
監督：ミクハイル・レッド
出演：ロニー・ケソン、マイク・ロレン ロウェル・コナレス
監督は21歳！映画泥棒の末路やいかに。
石坂PDコメント「最年少監督のデビュー作、映画への愛にぜひ注目していただきたい」。

『リゴル・モルティス／死後硬直』（香港）
監督：ジュノ・マック
出演：チン・シウホウ、クララ・ワイ、パウ・ヘイチン
清水崇監督（『呪怨』）プロデュース。キョンシー映画にオマージュを捧げた香港ホラー。
石坂PDコメント「大作と言っていいホラー映画。Ｊホラー的でもあり、シリアスで独特の美学をもった作品」。

『祖谷物語—おくのひと—』（日本）
監督：蔦哲一朗
出演：武田梨奈、田中泯、大西信満
こだわりのフィルム撮影169分。山里の神話的世界を描いた作品。
石坂PDコメント「山里を舞台に孤児になった少女が成長していく。監督のフィルムへのこだわりや意地を感じた」。

『起爆』(韓国)
監督：キム・ジョンフン
出演：ピョン・ヨハン、パク・ジョンミン
大学の研究者が自宅で爆弾を製造。世界への復讐がはじまる。
石坂PDコメント「韓国が抱えている学歴社会の弊害、ヒエラルキーが描かれている」。

『今日から明日へ』（中国）
監督：ヤン・フイロン
出演：タン・カイリン、シュー・ヤオ、ワン・タオティエ
北京を舞台にした、ニューウェーヴの予感に満ちた新世代中国の青春映画。
石坂PDコメント「中国の社会問題にもなっている、高学歴で低収入な若者“蟻族（ありぞく）”の世界を描く。日本との共通点も多いと思う」。

第26回東京国際映画祭
期間：2013年10月17日（木）〜10月25日（金）9日間
場所：六本木ヒルズ（港区）をメイン会場に、都内の各劇場及び施設・ホールを使用
公式サイト：http://tiff.yahoo.co.jp/2013/jp/tiff/outline.php

【TIFF_2013】アジアの未来部門作品一覧：映画と。