第20回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭・初日レポート!
10月7日(金)、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭が青山のスパイラルホールで開幕した。セクシャルマイノリティを題材にした作品を上映するこの映画祭は、1992年に中野の会議室からスタートし、今年で20周年を迎える。世界中の映画祭で話題になっているLGBT(※1)作品を国内で楽しめる映画祭とあってファンに支持され続け、今年も初日は大盛況の幕開けとなった。
開場前のロビーではウェルカムドリンクのサービスもあり、スパークリングワインでテンションを上げてからいざ会場へ。オープニングイベントではMCを務めるドラァグクィーンのマーガレットさんがド派手に登場。女装歴は30年、第3回から映画祭に参加しているという彼女(?)が「私たちの映画祭の始まりですよ〜♪」と開幕宣言を述べると、客席からは拍手と歓声が上がった。運営委員会代表の宮沢英樹さんとともに本映画祭の歩みを振り返ったあと、いよいよオープニング作品の『ロミオ』が上映された。新時代のクィアムービー(※2)と称され、ベルリン国際映画祭で話題沸騰 となった本作品はドイツから上陸。たしかに、これまで描かれてきたような同性愛やバイセクシャルの話とはちょっと違う印象だ。性同一性障害のルーカス(女)がゲイのファビオに恋してしまうという、一風変わった内容。若者のセクシャルマイノリティを取り巻く環境や、主人公の切ない恋心が描かれた青春映画だ。9日(日)にも再上映されるので、興味のある方はお見逃しなく!
他にも、今年のフランス映画祭で上映された『トムボーイ』やアメリカで一般公開され話題になっている『カブーン!』など10作品が用意されている。また9日(日)には20周年を記念したパーティーも企画されており、ベストクィアムービー総選挙が行われる。前述のマーガレットさんほか、ゴージャスなパフォーマーが参加するということで盛り上がること間違いなし!これほどまでに観客と主催者の距離が近く、双方の熱い想いが伝わってくる映画祭はそうないだろう。独特の雰囲気も一緒に楽しんでほしい。
映画祭は10月10日(月・祝)までの4日間開催される。
★映画祭公式サイト:http://tokyo-lgff.org/2011/
※1 レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスセクシャルの略。トランスセクシャルとは性同一性障害者を意味する。
※2 「Queer」と書き元々は「オカマ」に相当する蔑称だったが、近年ではゲイやレズビアンを中心に、セクシャルマイノリティを意味する。
取材:鈴木こより
オープニング作品『ロミオ』 ※9日(日)11:30から再上映
大都会に憧れて田舎から出てきたルーカス。しかし手配されていた部屋は、なんと女子のナース寮! ノンケ男子なら夢のような毎日も、ルーカスにとっては苦痛とストレスの連続。ある日、ルーカスはセクシーでイケメンのファビオと出会い、恋心を抱く。しかしルーカスには、ある“秘密”があるのだ。それは、ルーカスがFtMトランスセクシュアルだということ。果たしてファビオは、ルーカスの本当の姿を受け入れてくれるのか…。
監督:サビーネ・ベルナルディ / Dir.:Sabine Bermardi
2011 / Germany / 94min.
言語:ドイツ語 / Language:German
後援:東京ドイツ文化センター / Endorsed by:Goethe-Institut Tokyo
『ロミオ』公式サイトはこちら
【初心者のためのTILGFFガイド】※映画祭公式サイトから転載
表参道駅のB1出口を出たら、スパイラルはもう目の前。入り口のレインボーフラッグに心躍らせながら、いざ3Fへ!(注:エレベーターは使えません) → 階段を上っていくと、受付が見えてきました。愉快な(?)スタッフたちが笑顔でお出迎えします → 受付でチケットを買ったり、整理番号を発行してもらいましょう → 開場まではホワイエ(ロビー)でおくつろぎください。バーカウンターで無料のお酒やソフトドリンクをもらって飲んでもよし、物販ブースをひやかしてもよし。トイレにも忘れずに行っておいてね → 開演15分前になったら開場です! スタッフの指示に従って整理番号順にご入場ください(注:劇場内は飲食禁止です) → いよいよ開演! ごゆっくり映画をお楽しみください → 上映後にトークイベントがある回もあります。映画についてゲストに質問しちゃおう! → 外国人ゲストはサインや写真撮影にも気軽に応じてくれます。イベント終了後にホワイエで見かけたら、思い切って話しかけてみては? → お帰りになる前に、ぜひアンケートにご協力ください → お気をつけてお帰りください。またのご来場、お待ちしています!
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