ヤン・ヨンヒ監督「かぞくのくに」、ベルリン国際映画祭に出品決定!

自身の家族の姿を描いた『ディア・ピョンヤン』など、ドキュメンタリーを中心に作品を発表してきたヤン・ヨンヒ監督の最新作『かぞくのくに』が、2月に開催される第62回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門に正式出品されることに決まった。ヤン監督のベルリン映画祭出品は『ディア・ピョンヤン』『愛しきソナ』に続いて3作目となり、本作も現地で注目を集めそうだ。
『かぞくのくに』は安藤サクラ、井浦新を主演に迎え、ヤン監督の実体験を基にした人間ドラマ。病気治療のために北朝鮮から25年ぶりに帰国した兄と、彼を迎える妹ら家族の姿を通し、価値観の違いと変わらぬ家族の絆を描く。世界中で高い評価を得た韓国映画『息もできない』の監督・主演ヤン・イクチュンが出演している点も注目だ。
ベルリン映画祭のフォーラム部門は革新的な作品や新しい映画作家の作品を上映する部門で、2009年には『愛のむきだし』(園子温監督)がガリガリ映画賞と国際映画批評家連盟賞を、11年には『ヘヴンズストーリー』(瀬々敬久監督)が国際映画批評家連盟賞とNETPAC賞(最優秀アジア映画賞)を受賞している。

〈ベルリン映画祭出品へ向けて・監督のコメント〉
吐き出したい話がある。国家の分断によって引き裂かれ傷つきながらも、逞しくしなやかに生きる家族の物語である。制作過程で悩み立ち止まった時、いつも私に勇気を与えてくれるのはベルリン映画祭で出会った観客の表情や言葉だった。映画への深い愛情と東西分断の経験からくる歴史観をベースに的確なフィードバックで私を育ててくれる「あの場所、あの観客」。初の劇映画「かぞくのくに」は観客と私との間にどんなキャッチボールを生み出すだろう。 監督・脚本 ヤン・ヨンヒ

【作品情報】
『かぞくのくに』
監督・脚本;ヤン・ヨンヒ
出演;安藤サクラ、井浦新、ヤン・イクチュン、京野ことみ、諏訪太朗、宮崎美子、津嘉山正種ほか
製作・配給:スターサンズ
2012年/日本/100分

8月、テアトル新宿、テアトル梅田、シネマート心斎橋ほか全国ロードショー
(c)2011 Star Sands, Inc.

▼関連記事▼
「愛しきソナ」ヤン・ヨンヒ監督インタビュー~感じてほしい、北朝鮮の大切な家族
「愛しきソナ」ヤン・ヨンヒ監督インタビュー〈2〉~「こんな少女もいる」興味のきっかけに
「愛しきソナ」ヤン・ヨンヒ監督初日舞台挨拶~明かりを消して見えること

トラックバック URL(管理者の承認後に表示します)