【ＴＩＦＦ_2010】「モンガに散る」台湾若手スターの熱演が眩しい ： 映画と。

（台湾電影ルネッサンス2010～美麗新世代）

台湾映画として今年最高の動員記録を打ち立てた『モンガに散る』が、第23回東京国際映画祭の「台湾映画ルネッサンス2010～美麗新世代」オープニング作品として上映された。極道の道へ足を踏み入れた高校生たちの友情と黒社会の抗争を、ハードボイルドに、かつ時にコミカルなタッチも織り交ぜつつ描く。
「1980年代の台北を舞台にした青春任侠ムービー」―そう聞かされて、抜群にイケてる兄さんがクールに活躍する映画だと予想する人はそういるまい。『モンガに散る』は素敵にダサい。ダサくて、格好悪くて、おバカな男子高校生が、ただ友情のために闘いまくる。そんな「青臭い」彼らがそれぞれ実に良い顔をしており、作品最大の見所になっていると言ってもいい。若い俳優陣の瑞々しい演技に終始心を動かされる。
主演のイーサン・ルアン（阮經天）は、台湾ドラマ史上最高視聴率を叩き出した「ハートに命中！100％」（08年）などに出演している人気者。『モンガに散る』では台湾のアカデミー賞と言われる台湾金馬賞主演男優賞にノミネートされた。ダブル主演のマーク・チャオ（趙又廷）も、09年にドラマ「ブラック＆ホワイト」で一気にブレイクした注目株だ。12月18日（土）より全国順次ロードショーされる今作。東京国際映画祭で見逃した人は、ぜひ新しい台湾スターの才能をチェックしに劇場へ足を運んでほしい。

オススメ度：★★★★☆

Text by:新田理恵

【原題】艋舺
【監督】ニウ・チェンザー
【脚本】ツォン・リーティン
【出演】モンク：イーサン・ルアン、モスキート：マーク・チャオ、ゲタ：マー・ルーロン

『モンガに散る』公式サイト　http://www.monga-chiru.com/
東京国際映画祭　公式サイト　http://www.tiff-jp.net/ja/