【フィンランド映画祭2012】月からナチスが攻めてきた?! 話題のトンデモ映画『アイアン・スカイ』で開幕

左からキルヤヴァイネン監督、ヴオレンソラ監督、フィンランド・フィルム・ファンデーションのエイヤ・ニスカネンさん、駐日フィンランド大使館のミッコ・コイヴマー参事官

 フィンランド映画祭2012が9月15日(土)、お台場シネマメディアージュで始まった。4度目の開催となる今年のオープニングを飾ったのは、“月に潜伏していたナチスが襲ってきた!”という、色んな意味で扱うには「微妙」なアイディアを大胆に映画にしてしまった『アイアン・スカイ』。上映前には同作のティモ・ヴオレンソラ監督、さらに初日2本目の上映作『サイレンス』のサカリ・キルヤヴァイネン監督が舞台挨拶を行ったほか、上映後には ヴオレンソラ監督がティーチ・インを行い、『アイアン・スカイ』について客席からの質問に応えた。

 革ジャン姿のゴツイ大男……と思いきや、中に着ているのは『アイアン・スカイ』のロゴ入りTシャツ。身長198センチの大きな身体全体を広告塔にしたヴオレンソラ監督は、「色んなコミックやアニメで本作と似たようなアイディアには触れていたので、既に“月面ナチス”という発想で映画がたくさん作られているんじゃないのかと思っていた。でも、調べてみたところ、実際に作品になってるものが全然なかったんだ。“これは僕らで作るしかない”と思った」と映画作りの経緯を明かすなど、ハイテンションかつノリノリで作品をアピールした。
 
 一方のキルヤヴァイネン監督は見事に好対照。終始不動のアキ・カウリスマキ作品に登場してもハマりそうな風情で、「尊敬する日本の映画監督から様々な影響を受けている。『サイレンス』を作るに至っては、『火垂るの墓』『おくりびと』から影響を受けた」と、日本との関わりについて語っていた。

 “ポスト”アキ・カウリスマキを紹介するという主旨でスタートし、若手や女性監督を中心に紹介しながら第4回目を迎えたフィンランド映画祭。今年はこの『アイアン・スカイ』、『サイレンス』(16日13:00~の上映後にも監督ティーチインあり)を含む5本が上映される。開催は21日(金)まで。上映作の詳細や上映スケジュールは公式HPをチェックしてほしい。

『アイアン・スカイ』は今月28日(金)からTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて劇場公開される。本サイトでは、劇場公開を前にヴオレンソラ監督のインタビューを掲載する予定なのでお楽しみに。

ほんとはすごく真面目です



撮影:新田理恵

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