第23回東京国際映画祭、記者会見で南果歩「函館の人々と喜び分かち合いたい」

右から熊切和嘉監督、谷村美月さん、南果歩さん、竹原ピストルさん

第23回東京国際映画祭が2010年10月23日(土)~10月31日(日)の日程で開催される。開会まで二十日余りと迫った9月30日(木)午後、記者会見が行われ、オープニング・クロージング作品やコンペティション出品作品が発表された。会見にはコンペティション出品作品の一つである『海炭市叙景』より、熊切和嘉監督、出演者の谷村美月さん、南果歩さん、竹原ピストルさんが登場。会場に華を添えるとともに、作品への思いを語った。
人生に苦い想いを抱えて生きる人々の姿を、函館市民の協力のもと、包み込むように描いた作品、『海炭市叙景』。谷村さんは撮影時の様子を、「ただ存在していればいい、居心地のいい現場だった」と振り返った。「この映画祭のコンペティション作品に選ばれ、世界に発信される喜びを、函館の人々と一緒に分かち合いたい」と言葉を噛み締めたのは南さん。撮影現場の雰囲気の良さ、現地ボランティアの人々の温かさを言葉の端々からうかがわせた。熊切監督は、「とある地方都市の現実と、そこに暮らす人々の生き様を描いた作品。何かを感じ取ってほしい」と、映画祭を楽しみに待つ観客に、メッセージを送っていた。

挨拶に立つ依田チェアマン

『海炭市叙景』を含め、計15作品が参加予定の今年のコンペティション部門。「“作品力”のある作品を集めた」とは、依田巽・第23回東京国際映画祭チェアマンの言葉。「作品力、知名度、国際性があり、日本の興行ビジネスにも結びつく作品を集めた」と意気込みを語り、国内外の注目を浴びる映画祭としての更なる飛躍の年とすることを誓った。
会見では、昨年に引き続き、映画祭大使を女優の木村佳乃さん、映画祭グリーンアンバサダーをモデルで女優の杏さんが務めることも明らかになった。また、コンペティション部門の審査員は、委員長の二ール・ジョーダンさん(映画監督)を筆頭に、ジュディ・オングさん(歌手・女優・木版画家)、ドメニコ・プロカッチさん(プロデューサー)、ホ・ジノさん(映画監督)、根岸吉太郎さん(映画監督)が務める。
今年はオープニング作品に『ソーシャル・ネットワーク』(デヴィッド・フィンチャー監督)、クロージング作品に『ザ・タウン』(ベン・アフレック監督)と話題作が揃い踏み。なお、コンペティション出品作品15本は同映画祭公式ホームページ(http://www.tiff-jp.net/ja/)から確認できる。

Text&Photo:新田理恵

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  1. 2010年9月のベストシネマ (鈴木こより) : 映画と。

    […] いつも「映画と。」をご覧いただき、誠にありがとうございます! 早いもので、オープンしてから一カ月ちょっとが経ちました。 この間に、「ラテンビート映画祭」が開催されたほか、東京国際映画祭(10月下旬)や東京フィルメックス(11月下旬)の記者発表などもあり、秋の映画祭イベントで盛りだくさんの一カ月となりました。 […]

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