リポート~映画と台北 その2

風情ある映画館「台北之家」。第3級古蹟に指定されている


高さ世界第2位(2011年1月現在)の超高層ビルTAIPEI101の近く、ショッピングセンターや飲食店が集まるお洒落スポットに、全18スクリーンのシネマコンプレックス「威秀影城」があります。<その1>で紹介した日本映画らとともに、ハリウッド大作も日本より一足早く公開されることが多い台湾。ちょうどアンジェリーナ・ジョリーとジョニー・デップの共演で話題を集めている『ツーリスト』(日本では3月11日公開)が上映されていたのでチェックしてきました。ちなみに『ツーリスト』、台湾での公開タイトルは『色遇』……なんだかなぁ。字面だけ見ると、ちょっとエッチな映画みたいだわ。
さて、チケットの購入方法。売場で観たい作品名を告げてお金を払うころまでは日本と同じ手順なのですが、ここでスタッフ、すかさずドリンクとスナック類も畳みかけるようにセールスしてきます。例えば、「エコノミーセット」だと、2人分のチケット代にソフトドリンク2つとポップコーンが1つで819台湾ドル(約2,700円)。チケットと一緒に飲食物のレシートを渡されるので、これを売店まで持って行って商品と引き換えてもらうという仕組みです。観客の立場としては、なんとなく味気ない気持ちになったのですが、このシステムの方が確実に売り上げが伸びるでしょうね。
実は台湾で映画を観るのはかれこれ13年ぶり。前回は確か台南で『エイリアン4』を観たのですが、その時は本編が終わるやブチッと映像が“強制終了”されて劇場を出された覚えが……10年経った今、ちゃんとエンドロールまで鑑賞する習慣は根付いたのだろうか?と一抹の不安も抱きつつ、2時間後。エンドロールは流れました。が、はたと気がつくと座っていたのはワタシのみ。他のお客は早々に退出されていました。まあ、ブツ切りされなかっただけいいか。
ほかにも台北には映画好きなら押さえておきたいスポットがあります。『悲情城市』で知られる侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督が理事長を務める台湾電影文化協会が経営するミニシアター「台北之家」です。訪れた時期はちょうど『ノルウェイの森』が上映されていました。

松山ケンイチの名を“健一”と書くのは中華圏でも台湾だけ。正しくは“研一”。大らかである

元米国大使館を改築した風情ある建物で、カフェや書店も併設していて、映画関連の雑誌やグッズも購入できます。映画を観ても観なくとも、ぜひ晴れの日は美しいテラスのあるカフェにお茶をしに足を運んでほしいもの(そっち?)。
今回は暮れのどさくさに紛れて急ぎ足で台北を走り抜けたに終わったのですが、海外を歩く機会があるたびにご当地映画事情をチェックしてまいりますので、お楽しみに!

text&photo by:新田理恵

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