アデル、ブルーは熱い色

映画と。ライターによるクロスレビューです。

アデル、ブルーは熱い色 メイン監督・脚本:アブデラティフ・ケシシュ 出演:レア・セドゥ、アデル・エグザルコプロス、サリム・ケシゥシュ、モナ・ヴァルラヴェン、ジェレミー・ラユルトほか

【作品解説】
ミステリアスな青い髪を持つ画家エマと、一途な愛を貫く女性アデルとの大胆な性愛描写が話題となり、第66回カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いたフランス発のラブストーリー。カンヌでは審査員長のスティーブン・スピルバーグが絶賛し、本来なら作品の監督一人だけに贈られるパルムドールを、主演のレア・セドゥとアデル・エグザルコプロスにも同時に贈ったという、新たな歴史を刻んだ作品だ。

(物語)デートへ向かう途中、街中ですれ違った青い髪の女性エマ(レア・セドゥ)に一瞬で心奪われた女子高生のアデル(アデル・エグザルコプロス)。その後、バーでエマと再会。エマは美大生で、アデルは彼女が持つ独特の感性や大人っぽい雰囲気、知性の高さに惹かれ、一途にエマにのめり込んでいく。数年後、教師になったアデルはエマと一緒に暮らしていた。エマはアデルをモデルとして絵を描き、アデルは幸せをかみしめていたが、エマの作品披露パーティが催された頃から彼女の態度が変化したように感じはじめ・・・。


【クロスレビュー】
アデル、ブルーは熱い色 サブ1 (※このレビューは結末に触れています)
レズビアンのラブシーンに話題が先行しがちだが、これは身も心も愛する人がたまたま同性であったというだけ。人を愛するがゆえの喜びや痛みが2時間59分に凝縮され、燃え上がるように溢れ出ていて圧倒される。確かにセックスシーンでの女優二人の演技は挑発的で耽美で瞠目すべきだが、むしろ心に焼きついたのが、終盤、アデルがエマの展覧会へ赴く際の青いドレスだ。エマの心変わりを象徴するようにエマはもう青い髪ではない。だが、アデルにとって青を纏うことがエマを想うことの精一杯の表現かと思うと、胸が締め付けられた。それでも前を向く彼女の姿には「全力で愛しきった」というある種の充実感もあり、人を愛することの素晴らしさを思わずにはいられない。
(★★★★★/富田優子)

アデル、ブルーは熱い色 サブ2保守的な中流家庭で育ったアデルと、リベラルで裕福な家庭に育ったエマ。惹かれ合い、影響し合いながら大人になっていく過程で、二人が育った環境の違いがじわじわと作用していく様子がリアルで面白い。それぞれの両親が娘の彼女を家に招待する時に用意する料理や、親子で交わす会話に、彼女らのバックグラウンドが自然に、かつ分かりやすく表現されていて、ケシシュ監督の演出の巧さが光る。ブルーが二人の恋を象徴するように、アデルにとってエマはずっと自由の象徴であり続けるが、エマにとってアデルは想像力を掻き立てる女神から現実を直視させられる存在へと変わっていく。
ついにカンヌが同性愛を描いた作品に最高賞を与える時代になったという意味で、時の流れを思わせる映画だが、描かれているのは恋愛を通して成長していく少女たちの普遍的な物語だ。
(★★★★☆/鈴木こより)


原題:LA VIE D’ ADELE CHAPITRES 1 ET 2/2013/フランス/フランス語/179分/R-18/配給:コムストック・グループ/配給協力:キノフィルムズ
公式サイト:http://adele-blue.com/
© 2013- WILD BUNCH – QUAT’S SOUS FILMS – FRANCE 2 CINEMA – SCOPE PICTURES – RTBF (Télévision belge) – VERTIGO FILMS
2013年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞・国際批評家連盟賞受賞
2014年4月5日(土)より、新宿バルト9、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー

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