【TNLF_2013】『サウンド・オブ・ノイズ』奇想天外な音楽テロを描いた北欧発コメディ

※2013年7月27日(土)より、新宿シネマカリテほか全国順次公開が決定しました!

 トーキョー ノーザンライツ フェスティバル2013のオープニングを飾った本作は、カンヌなどの国際映画祭でも話題を呼んだ注目作。ということもあってか、初回上映は立ち見客もでる盛況ぶり。このスウェーデン発コメディは、街に溢れる耳障りな音楽、通りのスピーカーから流れてくるメロディーなど、無意味な雑音に我慢ならなくなった6人組が “音楽によるテロ”を繰り広げる物語である。

 冒頭、彼らのリーダーが車を走らせて登場するシーンはインパクト大で、一気にスクリーンに引き込まれてしまう。彼らにカーステレオは不要だ。後部座席で相棒が叩くドラムのリズムに合わせて、エンジン音を唸らせる。華麗なギアチェンジでエンジン音を変調させては、即興で音楽を作り出していく。このシーンで度肝を抜かれるも、まだ序の口で、奇想天外の音楽テロはそこから更にヒートアップ。彼らはあらゆるものを楽器に見立てて、リズムを生み出し音楽を奏でていくのだが、病院でのテロでは医療機器だけでなく、患者の心拍音までをもリズムにしてしまう始末。とにかく、叩いて叩いて叩きまくる。そんな彼らが現場に残していくものは、メトロノームと“静寂”だった。

一方、彼らを追う警官の名はアマデウス。モーツァルトと同じ名前を持つ彼は、音楽一家に生を受けるも生まれつきの音痴で、音楽に対して大きなコンプレックスを抱えている。静寂をこよなく愛する彼だが、そのテロ集団を追い、彼らの目的がわかった時、奇妙な連帯感を感じはじめるのだった。

本作、監督とドラマー6人は、短編作品『アパートの一室、6人のドラマー』(原題:Music for One Apartment and Six Drummers)(2001年)の時と同じで、基本コンセプトはそのままに、コメディ、クライム、ロマンス(?)を盛り込んだ挑戦作。音楽をネタにしたジョークやアイデアやは遊び心に満ちていて、既存のモノや常識にとらわれることなく新しいものを生み出していこうという気概が感じられる。驚きに満ちたテロシーンだけでなく、超絶ドラムセッションも見応えあり!

※ 次回上映は、2月15日(金)19:00〜 渋谷ユーロスペースにて

原題:Sound of Noise
監督:オラ・モンソン、ヨハネス・ニルソン
出演:Johannes Björk, Magnus Börjeson, Marcus Haraldson, Fredrik Myhr, Sanna Persson, Anders Vestergard
製作:2010年/スウェーデン、フランス/102分
配給:アットエイタテインメント

(※)2010年カンヌ国際映画祭ヤング批評家賞最優秀劇映画賞受賞


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▼「トーキョーノーザンライツフェスティバル2013」概要
期間:2013年2月9日(土)〜2月15日(金)
場所:渋谷ユーロスペース
JAPAN PREMERE5本を含む14作品上映!今年も内容盛りだくさん、魅力いっぱいの「トーキョーノーザンライツフェスティバル2013」スケジュールの詳細、イベント、最新ニュースについては、下記公式サイトでぜひご確認ください。
公式サイト:トーキョーノーザンライツフェスティバル 2013