50/50 フィフティ・フィフティ
難病モノ映画なのに、なんて優しい気持ちになれて爽やかな映画なんだろう。観てもらえれば、その意味が分かってもらえるだろう。
酒もたばこもやらない27歳の好青年、アダム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)が、腰の痛みで検査を受け、生存確率フィフティフィフティ(50/50)のガン宣告をされてしまう。そこから一変してしまうアダムの生活と、親友カイル(セス・ローゲン)、恋人レイチェル(プライス・ダラス・ハワード)、セラピストのキャサリン(アナ・ケンドリック)、母親ダイアン(アンジェリカ・ヒューストン)など周りを取り囲む人達との関係を描いた映画。
この映画の言葉にしづらい雰囲気を理解してもらうには観てもらうのが一番なので多くを説明しないが、やはり死を目の前にするという事で人の心は揺れ動く。当たり前の事だけど、この世に生きてる人で死を経験した人は誰もいない。経験がない事だから、不治の病に冒された時に本人や家族がどうなるかは人によって様々だと思う。
アダムの場合は、余命いくばくもないかもという開き直りからか、いい意味で力の抜けた自然体になっている。一見これまでと何も変わらない様でいて、実は言いたい事もやりたい事も、以前より出来ているんじゃないか。それが、映画を観ているこちらにとってはとても爽やかでいい味が出ていて心地よいのだ。そこをぜひ実際に観て感じて欲しい。死を目の前に控えた難病モノの映画なのに重苦しくならず笑いもあり、むしろ逆に生きるコツを教えられた気がする。病気が進行する事で大切なものに気付いて病気の本人も周りの人達も優しくなっていく過程を見ていると、まるで乾いた体に染み込む水の様にスーッと心に染み込んできた。
自分は、この映画の持つ全編に漂う優しい雰囲気に完全にノックアウトされてしまった。特に女性は、ジョセフ・ゴードン=レヴィットのあの弾けそうな笑顔にもノックアウトされる事は間違いないだろう。
おススメ度:★★★★★
公開日 2011年12月1日(木) よりTOHOシネマズ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
監督 ジョナサン・レヴィン
製作 エヴァン・ゴールドバーグ、セス・ローゲン、ベン・カーリン
脚本 ウィル・レイサー
撮影 テリー・ステイシー
音楽 マイケル・ジアッキノ
出演 セス・ローゲン、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ブライス・ダラス・ハワード、アナ・ケンドリック、アンジェリカ・ヒューストン、マット・フルーワー、フィリップ・ベイカー・ホール
公式サイト:http://5050.asmik-ace.co.jp/
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