「山崎バニラの活弁大絵巻inゆめりあ」レポート
休憩をはさんで、山崎バニラさんが再登場。今度は洋装に着替え、髪も黒髪に。『キートンのセブン・チャンス』(バスター・キートン監督/1925年/57分)がピアノの弾き語りで上映された。
「三大喜劇王のひとりキートンは、ストーンフェイス、石の顔と呼ばれる無表情で、すごいアクションを繰り広げるのが特徴です。CGのない時代にはそれはもう超人的です。本作は大変貴重なテクニカラー版です。カラーといっても二原色でグリーンとオレンジの色彩が付いているので、現代人の私たちから見ると薄っすらカラーかなという程度ですが、それでも時間もお金もものすごくかかりますので全編というわけにはいきません。キートンは大変お洒落な使い方をしています。冒頭シーンのみ薄っすらとカラーとなっております」
『キートンのセブン・チャンス』は言わずと知れたキートンの最高傑作の1本。「大勢の花嫁候補の中に男も交じっておりますね」をはじめとするバニラさん独特の登場人物への突っ込みと相まって、場内には笑いの波が押し寄せる。しかし、活弁の面白さはそこだけにとどまらない。途中当時の世相を解説するのもわかりやすいし、後の大スターで当時まだ無名だったジーン・アーサー、キートンの妻の姉で当時の大スターだったコンスタンス・タルマッジがチョイ役で出ているのを、その場で指摘できる点に、活弁のひとつの強みを感じた。子供の笑い声もたくさん響いていて、旧き良き時代、サイレント映画はこんな風に楽しまれていたのかと想像させられるような会場の雰囲気もさることながら、様々な資料もきちんと調べられ、いわゆるシネフィルへの目配せもされている点が素晴らしい。映画ファンはもちろんのこと、お子さんからご家族まですべての方にお勧めできる、古くて新しい活弁エンターテインメントである。
(舞台写真提供:公益財団法人 練馬区文化振興協会)
次回公演が決定!
■公演名 山崎バニラの活弁大絵巻2018 ~突貫マザー~
http://www.spacezero.co.jp/information/127359
■公演日 2018年3月18日(日)
■開演時間 14:00 (13:30開場)
■場 所 全労済ホール/スペース・ゼロ (新宿駅徒歩5分)
〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-12-10 全労済会館1F
■料 金 ・一般/3,000円
・子ども券(5歳~小学生)/1,500円(すべて税込・全席自由)
※5歳未満のお子様でもお席が必要な場合はチケットをご用意ください。
■チケット発売日 2018年1月26日(金) 10:00~
■チケット取り扱い
スペース・ゼロチケットデスク http://www.spacezero.co.jp/(インターネットのみ)
CNプレイガイド 0570-08-9999(10:00~18:00)http://www.cnplayguide.com/
チケットぴあ http://t.pia.jp/t/ (PC・携帯)
0570-02-9999 (P コード:557-872)
チケットぴあ、セブン-イレブン、サークルK・サンクスの各店舗で直接販売
ローソンチケット 0570-084-003(Lコード:34754)http://l-tike.com/
■演目
『子宝騒動』大正琴弾き語り
監督は喜劇映画の神様と呼ばれた斎藤寅次郎、主演は和製チャップリンと称される小倉繁
『臨時雇の娘』ピアノ弾き語り
「喜劇映画を発明した男」と呼ばれる名プロデューサー、マック・セネットと、映画界初のコメディエンヌ、メーベル・ノーマンドが組んだ長編作品。
■主 催 全労済 (全労済文化フェスティバル2018参加)
■協 力 喜劇映画研究会、株式会社マツダ映画社
■問い合わせ先 全労済ホール/スペース・ゼロ 03-3375-8741 (平日10:00~17:00)
山崎バニラ(やまざき ばにら)プロフィール
活動写真弁士。2001年、無声映画シアターレストラン「東京キネマ倶楽部」座付き弁士としてデビュー。“ヘリウムボイス”と呼ぶ独特の声と、大正琴とピアノを弾き語る独自の芸風を確立。全国で活弁ライブを開催。声優としてもアニメ『ドラえもん』ジャイ子役、『妖怪ウォッチ』キン役他、出演作多数。2018年1月よりテレビ東京系列にて「ポチっと発明 ピカちんキット」(ポチロー役)がスタート。
http://vanillaquest.com/
2018年1月15日
[…] 映画情報サイト『映画と。』に記事を掲載していただきました!→「山崎バニラの活弁大絵巻inゆめりあ」レポート 次回公演「山崎バニラの活弁大絵巻2018~突貫マザー」の告知もしていただいてます。是非ご覧くださいませ。ライターの藤澤貞彦さん、ありがとうございました! […]