2010年ベストシネマ10(外山香織)
2010年は、見た映画の本数が少なくて個人的にはとっても残念でした。でも、こうやって振り返ってみると、いい映画に巡り合えたなあと思ってます。いつも順位をつけるのは難しいですが、こういうのって、自分がどんなところに感動するのか、どこがツボなのか、わかるんですよね。そういう意味でも自分を再発見できたベスト10でした。
1 インビクタス/負けざる者たち(09・米)
クリント・イーストウッド監督
I am a master of my fate. (我が運命を決めるのは我なり)
I am a captain of my soul. (我が魂を制するのは我なり)
和解と赦し、人間の英知。ネルソン・マンデラという人物もさることながら、1995年のラグビーW杯。これが本当に起こったことだということに身震いします。神様ってホントにいるんじゃないか?と思えた作品。映画の後半はずっと泣いてたんですが、エンドロールの「World in Union」という曲でトドメを刺されました。言葉と、音楽と、スポーツ。すべてが人間を鼓舞し、勇気を与えるんだと思います。
2 インセプション(10・米)
クリストファー・ノーラン監督
とにかく、この監督の頭の中はどうなってるんだ!?と思わされました。今の時代に、映画を見てこれほど驚かされるとは思わなかった。オリジナリティ、独創性を評価したい1本。
3 エリックを探して(09・英/仏/伊/ベルギー/西)
ケン・ローチ監督
サッカーのスター選手、エリック・カントナの登場もさることながら、小市民に向けられた優しい目線が心地いい人間賛歌。笑いの涙が感動の涙にストレートにつながる稀有な作品。
4 オーケストラ!(09・仏)
ラデュ・ミヘイレアニュ監督
結構深刻な問題をユーモラスな展開で引き込み、圧巻の演奏シーンで大団円。鑑賞後、チャイコフスキーのバイオリン協奏曲をしばらくヘビロテしてました。
5 瞳の奥の秘密(09・西/アルゼンチン)
ファン・ホセ・ カンパネラ監督
アルゼンチン映画の静謐さと情念に心奪われた1本。美しくも悲しいとはこういうことか。これもサッカーが登場するのがいい!
6 第9地区(09・米/ニュージーランド)
ニール・ブロムカンプ監督
人間と異星人の戦いという、ありふれたテーマをユニークな視点で描いてて面白い。人間を嫌いになりそうな展開にグイグイ引き込まれます。
7 ハート・ロッカー(08・米)
キャスリン・ビグロー監督
まるで麻薬におぼれていくように戦地に赴く兵士たち。人間の性(さが)を渇いた感覚で描いてて、何とも言えない不安を覚えてしまいました。
8 トイ・ストーリー3(10・米)
リー・アンクリッチ監督
3Dってすごいなと思わせてくれた映画。ストーリーの完成度も高く、「おもちゃたちの結末」がきっちり書かれていて、かつて子どもだった大人こそ涙してしまう映画。
9 十三人の刺客(10・日)
三池崇史監督
SMAP稲垣吾郎の演じた殿様の鬼畜っぷりに目を奪われました。変に女性が登場しない男くさーい時代劇にも好感。山形の庄内映画村ロケ!
10 (500)日のサマー(09・米)
マーク・ウェブ監督
一見サエない恋愛物語をうまくこじゃれた映画に仕上げたなーと言う感じ。ヒロインのサマーには全く共感できず、草食系男子のトムがひたすら可哀そうだったけれど、なぜか鑑賞後1年経過した今も印象に残っています。トム役のジョゼフ・ゴードン=レヴィットが「インセプション」にも登場し好感度UPしたのが要因かもしれません。
2011年1月31日
[映画][2010年][映画総括]いまさらなんですけど・・・…
日本映画、外国映画を一緒にしたベストテンを書き残しておきます。 1.息もできない 2.エリックを探して 上記2作品は、「人生のベスト」に入る素晴らしさ。 3.ヘヴンズ ストーリー 4時間38分だぜ、おい。 4.パーマネント野ばら 見事な脚本、映画館空いて…
2011年1月31日
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