【TNLF】『ローディ !地獄からの脱出』アンティ・ハーセ監督トークショー
『ローディ!地獄からの脱出』のアンディ・ハーセ監督が、はるばるフィンランドより来日し、トークショーが行われました。フィンランド人と日本人は似ている部分がいっぱいあり、初めての来日でも、とても居心地がいいという監督。リラックスした雰囲気の中で、会場からは質問が活発に飛び、監督もざっくばらんに映画の裏話を語ってくれました。トークショーの最後には、監督と観客がじゃんけんをして、最後まで勝ち抜いた人には、映画のポスターがプレゼントされるというオマケまでが付き、会場は大いに盛り上がりました。ここでは、2月13日に行われたトークショーの模様をお伝えします。
作品紹介
『ローディ!地獄からの脱出』は、フィンランドの人気メタルバンド“ローディ”の、“人気が陰ったその後”を描いた作品で、モンスター・コスチュームに身を包んだ彼らの素顔に迫るドキュメンタリー。ボーカルを担当するMr.ローディことトミは、仮面を剥いだ素顔は見せないものの、お母さんとの関係や、友人、バンドのメンバーたちとの関係から、人となりが見えてくるようになっている。ひと言で言えば、まるで少年がそこにいるような感じがするのである。怖いモンスター・コスチュームと、少年のような彼の心、そのギャップに微笑ましささえ感じるような作品になっている。
トークショー
☆-映画を撮ったきっかけは何ですか
—–2011年のある夜、ローディのドキュメンタリーを作ってみないかと、トミから電話がかかってきました。なぜかというと私たちは実は、幼馴染みです。それと彼は、私が映画を作っているのを知っていたからだと思います。僕はヘヴィメタのファンというわけではないので、最初はこれを作れるのかなと思いました。けれども、招かれてトミの家に行ってみると、そこにはモンスターのフィギィアをはじめ面白いものばかりが置いてあったのです。それを見て、今でも本当にこういうのが好きなのだなぁと思ったその時、この映画を作りたいという気持ちが湧いてきたのです。子供の頃は2人でよくヒーローごっこをしていたのですよ。ただ唯一の違いは、彼は子供のままで、私は一応成長して大人になったということですね。
☆映画の中に出てきた、ローディのアルバムを製作するレコード会社のCEOも幼馴染みだと言ってましたね。3人とも一緒だったのですか
—– 3人とも1キロ圏内に住んでいました。映画の中にも出てくるのですが、トミはよく自分でホラー映画を作っていたのですが、それには殺される役が必要だったので、この3人だけでなく他の幼馴染みたちともよく戯れていました。同じ町にヘヴィメタのスターとレコード会社のCEOと映画監督が住んでいた。その奇跡は、街の丘の反対側にサンタさんが住んでいるということと関係があるかもしれません。
☆トミの幼少時の印象はどうでしたか
—–小さい頃からアートに関することは、映画でも音楽でも何でもでき、とてもクリエイティブな人だったと思います。僕はそういう面でもとても尊敬しています。
☆トミが映画製作を持ちかけた裏には、かっこいい自分をプロモートしたいという意図があったと思うのですが、それにしては母親との微笑ましい関係はロックスターとしてはかなりマイナスだと思うのですが、トミはどのような感想をもったのですか
—–映画を作るに当たってルールが1つだけありました。それはトミの顔を映さないことです。実は、お母さんを映すことに対しても本人は嫌がっていたのですが、トミとお母さんとの人間関係が、他のバンドメンバーと比べても1番面白かったので、監督の立場としては、お母さんにたくさん登場してもらいたかったのです。