『サウンド・オブ・レボリューション~グリーンランドの夜明け』

渋谷アップリンク他でジャパンプレミア上映!

sound_chirashi_oトーキョーノーザンライツフェスティバル2017とTHE MUSIC PLANTの特別企画として『サウンド・オブ・レボリューション~グリーンランドの夜明け』が、2016年11月7日(月)札幌コンカリーニョ、2016年11月8日(火)渋谷アップリンクにてジャパンプレミアとして上映される。

本作は、1970年代、グリーンランドの自治権獲得に大きく貢献したロック・バンドSUMÉ(スミ)の活動を、彼らが発表した音楽をバックに、当時のフィルムやインタビュー、現在の元バンドのメンバーや関係者、ファンのインタビューで綴ったドキュメンタリーである。

彼らのデビューアルバムのジャケットは、先住民族イヌイットが、入植者の北欧人を殺害し、その腕を切り落としているというショッキングな19世紀の版画がベースになっており、バンドの社会に挑戦的な姿勢が、そこからも窺い知ることができる。グリーンランド語で歌う、初めてのロック・バンドSUMÉ(スミ)の出現は、多くのグリーンランド人にとって、とても衝撃的だったという。「彼らが歌いだした時は、本当にビックリしたわ、グリーンランド語で歌っているのですもの!」

マリク

SUMÉ(スミ)のソング・ライター/マリク

「凄く心配したわ。“どうか問題を起こさないで!”と願ったわ」グリーンランド語とは、グリーンランド・イヌイットの間で話されていた言葉である。デンマーク本土で、自分たちの言葉で歌うこと自体が、大きな問題になると心配しなければならないような立場。そこに、当時のグリーンランドの人々が置かれた状況がよく表れている。

デモ奇しくも、SUMÉ(スミ)が活動を始めた1973年は、デンマークのEC(現EU)加盟を果たして年である。グリーンランドにとっては、それは不利益に繋がることであり、反対票が多かったのだが、本国ではまったく取り上げてもらえなかったため、自治権獲得運動が盛んになったという背景がある。その風を受けたこともあり、SUMÉ(スミ)のデビューアルバムは爆発的なヒットとなり、当時のグリーンランド人の人口の20%がこのレコードを購入したほどだった。さらに彼らの活動は、グリーンランド語を認知させ、若者によるイヌイット文化への回帰運動などにも繋がり、運動の輪をさらに広げる役割を果たしている。

子供たちこれは単なる音楽映画ではない。かといって、難しい社会派映画でもない。インタビューや演奏シーンの間に流される、さまざまな時代のグリーンランドの人々の生活もとても魅力的な作品である。例えば、おばあさんが子供たちと、伝統的な遊びをしている描写、大勢の人たちがカヤックで流氷が浮かぶ海を漕ぎだしていく勇壮な映像など、そこに暮らす人たちの日常が、もしかしたら今では失われてしまったかもしれない、かつての生活の貴重な映像が随所に挟みこまれている。そこにSUMÉ(スミ)の音楽、詩が被さることによって、彼らグリーンランド人の気持ちが心に沁みてくる、そんな作品になっている。

スミ

SUMÉ(スミ)のメンバーたち

SUMÉ(スミ)の解散から数年後の79年5月、グリーンランドに自治政府が発足する。しかし、40年経った今でもグリーンランドには解決すべき社会問題が山積みしているという。確かに日本では、グリーンランドと言っても、ピンと来ない人が多いかもしれない。メルカトル図法の世界地図で大陸並みに大きく描かれたところというのは、誰でも知っているが、どこの国に属するのか、正確に答えられる人は案外少ない。しかしこれは、グリーンランドだけの問題はない。北アイルランドと英国。スペインとバスク地方など、こうした問題を抱えたところは、世界の至るところにある。身近なところでは、日本の沖縄の米軍基地の問題も、これに類するものと言えるだろう。音楽は人々の声を代弁できるのか、そして社会を動かすことが出来るのか。このバンドの活動の記録は、ひとつの礎であり、ひとつの可能性を示してくれることだろう。

今回の上映では、映画の後半に出演していた、現在グリーンランドで、もっとも人気があり、SUMÉ(スミ)の後継者と言われているロック・バンド、ナヌークのアコースティック・ライブが特別についています。貴重なこの機会をぜひお見逃しなく!

【上映情報】

2016年11月8日(火)19:00開場/19:30開演
渋谷アップリンク(渋谷東急本店右側通200m)
特別鑑賞券(上映+ナヌーク・アコースティック・ライブ)
¥2,500(自由席/1ドリンクオーダーください)

2016年11月7日(月)19:00開場/19:30開演
札幌コンカリーニョ(JR琴似駅直結)
特別鑑賞券(上映+ナヌーク・アコースティック・ライブ)
¥2,500(自由席)

詳細はこちらでご確認ください。
http://www.mplant.com/sume/

企画/宣伝:THE MUSIC PLANT
協力:トーキョーノーザンライツフェスティバル実行委員会

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