『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』マリー=カスティーユ・マンシオン=シャール監督インタビュー

ホロコースト教育を避けたがる仏の教師たち。「戦争について学ぶ大切さを若者が語ることが大切」

サブ5
■性犯罪から身を守るため、宗教色の強い服装を選択する生徒も

―1つ気になったシーンがあります。イスラム系の女子生徒が身体の線が分かる服(とはいえ、若い女の子ならごく普通の格好)を着ていたら、男子生徒に暴行予告ともとれることを言われますよね。フランスの高校では、ああいった事がよく報告されているのですか?

監督:悲しいことに、フランスではよくあります。学校内だけではなく、学校外でもよくあります。そうやって男子に襲われる危険を回避するために、長いスカートをはいたり、首が隠れる洋服を着たりする女子生徒も多い。決して信仰心からではなくて、男子に放っておいてもらうための措置だったりするのです。

―この映画は冒頭から、スカーフを被って来たイスラム教の女子生徒と、彼女を学校に入れまいとする校長先生との言い争いから始まります。「政教分離」で片付けられない事情があるんですね。
(※フランスでは政教分離の考えから、2004年以降、公立高校で宗教的シンボルとなるような衣類の着用が禁じられており、イスラム教徒の女子生徒のスカーフ着用の是非がよく問題となる)

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