『カンパイ!世界が恋する日本酒』小西未来監督インタビュー

米国での経験を生かして、奥深い日本酒の魅力を世界へ発信

■やっぱり作り手の話を聞くことが好き

ーー普段からインタビュアーとしてモットーとしてらっしゃることはありますか?

小西:昔はマジメに考えていたんですけど…基本的に、自分が興味ある人じゃないと頑張らないんですよ(笑)。だから偉そうなことは正直言えない。もちろん仕事は興味がなくても頑張りますけど(笑)、好きなのはやっぱり作り手の話を聞くことですね。スティーブン・ソダーバーグとか、マーティン・スコセッシとか、デビッド・フィンチャーとか、クリストファー・ノーランとか、こういう人たちと話すとすっごい楽しいです。でもそういうインタビューは、俳優と比べてあまり誌面が割かれないので、なかなか機会がないんですけどね。

ーー日本では洋画人気の低迷が言われていますが、米国で長くライターをやっていらして、日本からの仕事の依頼の傾向に変化を感じることはありますか?

小西:人気低迷は結構前から続いてるので、それはあんまり変わらないなと思います。僕自身はあまり影響を受けてないんだけど、アメリカに出張に来るライターさんの数はすごく減りましたよね。

ーーハリウッドの日本市場の軽視みたいなものは感じられますか?

小西:日本に対する軽視は感じないですけど、中国重視がすごいですね。記者会見なんかも東京をすっ飛ばして中国に行くようになってきたので。とはいえ、日本はまだ世界的にみるとマーケットとしてはデカイほうなので、もうちょっと盛り上げてもいいのかなとは思いますね。
ただ、ハリウッド映画も面白い作品って実はあんまりないんですよ。年間10本もないぐらい。その一方でテレビドラマがすごく面白いので、これをもうちょっと日本でもアピールしてほしいなとは思います。

ーーフィルムメーカーとしての目標は?

小西:この作品を作っているとき、すごく楽しかったんです。自分の能力をフルに使ってる感じがあったのですが、それって人生で初めての経験だったんですよ。なので、僕には合ってるんだなと思ったんです。『カンパイ!』を観て、もしつまらなくなければ、もうちょっと作らせてもらいたいなと思っています。

Profile
小西未来
1971年東京生まれ。南カリフォルニア大学映像学部(USC School of Cinematic Arts)修士課程修了。ロサンゼルス在住。卒業制作として監督した短編映画『ブラインド』が横浜フランス映画祭、アメリカン・ショートショート・フィルム・フェスティバルで上映される。映画『ジョゼと虎と魚たち』のメイキング『The Diary of ジョゼと虎と魚たち』や、『スーザン・ニコルスの幸せになるヨガ』などの映像製作を手掛ける一方、映画ジャーナリストとしても活動。CUTや映画.comなどに執筆しつつ、『ZIP!』(日本テレビ系列)のスペシャルリポーターとしても活動している。ゴールデングローブ賞を選考するハリウッド外国人記者協会(HOLLYWOOD FOREIGN PRESS ASSOCIATION)の会員の1人。自身のロサンゼルス在住体験を下敷きにした初の長編小説『時差ぼけのカウボーイ』を校了したばかり。


『カンパイ!世界が恋する日本酒』
監督:小西未来
エグゼクティブ・プロデューサー:駒井尚文、スージュン プロデューサー:柳本千晶
出演:フィリップ・ハーパー、ジョン・ゴントナー、久慈浩介
製作:シンカ、映画.com 特別協力:食べログ  配給シンカ  後援:日本酒輸出協会
2015年/日・米/日本語・英語/95分  © 2015 WAGAMAMA MEDIA LLC.

公式HP:http://kampaimovie.com/
7月9日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開!

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