「その街のこども 劇場版」舞台挨拶 森山×サトエリが震災を語る

「普段観客と接する機会がない」という井上監督(右)はやや緊張気味?

東京都写真美術館で15日、『その街のこども 劇場版』の公開初日舞台挨拶が行われ、主演の森山未來さん、佐藤江梨子さん、監督の井上剛さんが登壇した。
同作は、昨年1月17日に阪神・淡路大震災からちょうど15年の節目としてNHKで放送され、反響を呼んだドラマ「その街のこども」の再編集バージョン。映画『ジョゼと虎と魚たち』の脚本を手がけた渡辺あやさんが優しく描く心に傷を負った若者を、実際に震災を体験している森山さんと佐藤さんが演じている。「演じた役柄・勇治は実年齢だし、設定も渡辺さんと色々お話しながらその時の状況などを会話に入れ込んで、脚本に起こしている箇所がある」と話す森山さん。居酒屋で勇治と美夏(佐藤さん)が震災体験を語り合う場面では、脚本が用意されていたものの、森山さんと佐藤さんが互いに「あの時ああだったね」と本音で話し合ったリアルな会話も採用されているという。
メガホンをとった井上監督は、現在放送中の連続テレビ小説「てっぱん」なども手がけるテレビの演出家として活躍中。「その街のこども」の特徴を、「よーいスタート!とカット!がない現場ということに尽きる。ロケバスから2人が降りてくると、もうカメラが回ってるという状態」と語った。神戸の街を歩く主演2人の表情があまりにリアルなのも納得だ。そこですかさず佐藤さん、「2人の仲が悪いのもわかってしまう(笑)」と一言。「距離感がテーマなんで」と森山さんもさらにかぶせ、関西育ちの2人ならではの掛け合いが会場の笑いを誘っていた。

「距離感が大事なんで(笑)」というわけで、写真撮影でも不思議な隙間が

そう、この日、時折“笑いのエスプリ”を存分に発揮していたのが佐藤さん。「未來さんのファンで、共演してみたいなっていうミーハー根性丸出し(で同作に出演した)」と森山さんにラブコールを送ったと思いきや、「冬に撮影やったんですよ。そやのにビーチサンダルで来はって、この人は強い人やなって。ノーベンバー(11月)やで!ちょっとお兄ちゃん何考えてんの!って(笑)」と暴露話も披露、場を盛り上げていた。盛り上げ役を務めつつも、もちろん「1月17日は、『私は生きてるんだな』ていう実感を噛み締めてしまうタイミングでもある」と真摯に震災と向き合う顔も。「この作品を多くの人に観ていただけて嬉しい」と話し、「おうちに帰ったらたくさんの人に宣伝してください。宜しくお願いいたします!」と観客へのPRも忘れなかった。

【取材・文、写真】新田理恵。

映画『その街のこども 劇場版』
東京都写真美術館ホール、池袋シネマ・ロサほか全国公開中
(C)2010NHK

【プロデューサー】京田光広
【監督】井上剛 「ハゲタカ」など
【脚本】渡辺あや 『ジョゼと虎と魚たち』など
【音楽】大友良英
【出演】森山未來/佐藤江梨子/津田寛治ほか
公式HP http://sonomachi.com/

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