【LBFF】火の山のマリア:ハイロ・ブスタマンテ監督テイーチ・イン

「この映画を作ることに、緊急性を感じていました」

ハイロ・ブスタマンテ監督テイーチ・イン

(2015.10.11)
ハイロ・ブスタマンテ2

映画製作の動機について

この映画を製作した動機は、実際に主人公マリアのモデルになる人物に会って、この作品の元となる話を聞いたことによるものです。従って、この映画を作ることに緊急性を感じていました。そこで、この映画をぜひ作るべきだと説得してまわったところ、製作チーム全員がすぐに賛同してくれました。この映画のロケ地は、水も電気もないような火山地帯でして、最寄りの道まで四輪駆動車で20分もかかってしまうところにあります。

どうやって俳優を見つけたか

グアテマラは映画産業がそれほど大きくはありません。映画俳優というのは存在してないに等しいです。その上マヤ族の俳優となると、さらに限られてしまうので、アマチュアの方を集めなくてはなりませんでした。ワークショップ形式でマヤの人たちにきてもらい、彼らの問題について色々聞きながら、選考を行いました。彼らの抱えている問題を解決するという、ソーシャルワークのような形をとり、その問題に直面することによって、より脚本が豊かなものになっていきました。

しかしながら私たちは、ワークショップを通じてグアテマラの悲しい現実に直面することになりました。女性たちにはほとんど自由がなく、どこに出掛けるにも男性の許可が必要だったりするのです。そんな中、とあるひとりの劇場の役者に出会いまして、マリアの母役のマリア・テロンさんなのですが、それもようやく見つけたという感じでした。

彼女は自分の劇をあちこちの村で上演しておりまして、彼女に付いていき、その中でこの村がいいだろうというロケ地を見つけて、俳優もそこで見つけることになりました。市場に行って、映画のスタッフ募集ということで、屋台を出したのですが、誰ひとり来ることがなかったのですが、翌日今度は仕事人募集ということで出したら、山のように人が来てしまい困ってしまったというようなことがありました。そこで、今回の役者をすべて見つけたということになります。ほとんどの人が素人の方ですので、3か月の準備期間を取って、演技の練習を行いました。その中でお互いの信頼関係というのもできてきました。

ハイロ・ブスタマンテ

この作品がグアテマラにもたらしたこととは

本作はグアテマラで大ヒットしたのですが、自国の映画が大ヒットするということ自体が、非常に珍しいことです。このことは、自分の国についてあまり知る機会のない人たちが映画館に行って、他の人たちも同じように感じているのを知ることができた、ということだと思っております。また、最初に上映会をやった時には、役者の家族の方たちなどにも来て下さいまして、そこでも非常に良い評価を得ることができました。今、映画館バスというのを作りまして、映画館のない村に巡回上映をするというようなことを行っています。3つほどの大きな街には映画館があるのですが、そこはほとんどメスティソ系(欧州系と先住民の混血)の方たちが多く住んでいる地域で、マヤ族の方たちが住んでいる地域には映画館がないので、今後も、そちらのほうを重点的に回っていきたいと考えています。

今後の活動について

またこの先、この映画チームのスタッフも役者も色々能力のある方たちですので、活かしていければと思っております。現在は2本の映画を2人の監督と共に作っているところです。母親役の方も娘役(マリア・メルセデス・コロイ)の方も非常良い役者です。特にマリア・メルセデスさんのほうは、グアテマラを体現したような人ですので、色々なところで活躍するのではないかと思っております。今まで風景画を描いていたような人たちも、彼女の顔を題材にして絵を描いたりしていて、非常にあちこちで影響が広まっているなと感じているところです。

※ベルリン国際映画祭2015アルフレッド・バウアー賞(銀熊賞)受賞
※配給:エスパース・サロウ
2016年初春、岩波ホールほか全国順次公開


▼第12回ラテンビート映画祭開催概要▼

【東京】10月8日(木)~12日(月・祝)
会場:新宿バルト9(新宿三丁目イーストビル9階)
【大阪】10月23日(金)~25日(日)
会場:梅田ブルク7
【横浜】10月30日(金)~11月1日(日)、3日(火・祝)
会場:横浜ブルク
公式サイト:http://www.lbff.jp/
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