ミッション：インポッシブル／ローグ・ネイション ： 映画と。

シリーズ累計興行収入、約21億ドル（約2,520億円）を超える全世界待望の「ミッション：インポッシブル」最新作。上空1500ｍ×時速400ｋｍの飛行機アクション、超高速バイクチェイス、さらに息継ぎなしで6分以上の潜水アクションなど、＜不可能を可能にする男＞トム・クルーズの命がけの生身スタントが炸裂！

【ストーリー】

超敏腕スパイ：イーサン・ハント率いるIMFは謎の多国籍スパイ組織“シンジケート”の暗躍により、またしても解体の窮地に追い込まれる。イーサンはこの最強の敵にどう立ち向かうのか？誰が敵か味方かわからない中、繰り広げられる究極の諜報バトル。果たして史上最難関のミッションをコンプリートできるのか！？イーサンの究極の「作戦」とは？

【クロスレビュー】

富田優子／サイモン・ペッグのTシャツがダサい度：★★★★★

前作『ゴースト・プロトコル』でジェレミー・レナーが新加入したことで、これは（アクションを含む）世代交代の布石かと思った。だがさにあらず。“永遠の35歳”トム・クルーズは本作でも命知らずのアクションを披露。ここまで体を張るスターは世界広しと言えども彼だけ、もはや他の追随を許さない存在だ。とは言え本作は過去作よりも“仲間”が強調されているのが特徴的。ベンジー（サイモン・ペッグ）が敵に拉致されるが、イーサン（トム）は任務というより友情のために駆けつける。強くて美しい女性（レベッカ・ファーガソン）も登場するが、“永遠の35歳”とは言えやはりレベッカとの実年齢差（21歳差）に考慮したのか（どうかは分からないが）、恋愛テイストより男の友情重視の感。トム、ジェレミー、サイモン、ヴィング・レイムスの悪ガキ4人組のような雰囲気が、美女とキャッキャされるよりはるかに嬉しい。それにしてもサイモンのTシャツが常にダサすぎて、命の危険に晒されているのに妙に緊張感に欠ける点がツボ。あのチョイスは誰のものなのだろうか･･･？（苦笑）

鈴木こより／続編への期待度：★★★★☆

ミッションというよりはトムがどこまで挑戦するのか、というところが見所になっているこのシリーズ。今回も飛んでる飛行機にしがみついたり、6分以上の潜水シーンがあったり、体を張ったアクションがてんこ盛り。ファンを魅了し続ける心意気と、「まだまだやれるぜ！」という続編製作へのアピールに胸が熱くなる。
主役の座を譲る気配は全くないけれど、ファン目線のバランス感覚を持ちあわせているのがトムのスゴいところ。年齢を考慮してか、回を追うごとに美女とのロマンスから相棒との愉快なコンビネーションに比重をシフトしている印象だ。おかげでサイモン・ペグの登場シーンもグッと増量。イーサンに裏方仕事させる（？）シーンもあるほどで、助手から相棒へと成長した感あり。どんどんシリアスになってきている「007」シリーズとは対照的で、差別化できてちょうど良いかも。

外山香織／熟年スパイ万歳！度：★★★★★

トム・クルーズはいつの間にか機械の体を手に入れたのだろうか？　こんな53歳がいるはずがない。ノースタントというOpen the door!!シーンがツカミなんだから何という贅沢さ。まあ、シリーズ第１作を観るとトムも外見的には年は取っているが、何て言うか「円熟」という言葉がピッタリの年の取り方だ。本作のほか、007やキングスマンなど2015年はスパイ映画が目白押しであるが、どれも主役はカッコイイおじさんたち。若いだけでは到達できない何か。そう、今のスパイ映画はそうそう単純ではないのだ。冷戦が終わりテクノロジーがこれだけ発達した今、彼らの役割は何なのか。今回の副題、「ローグ・ネイション」は「ならずものの組織」と訳せばいいのだろうか。もはや組織の命令通りにミッションをこなして解決する時代は終わり、エージェントは組織と対峙し、自らの存在意義、キャリアや人生観を見つめ、自分にとって今何が大事かという視点で物語は進んでいく。大事なもの……本作のそれは「同志」であるという着地だ。トムがいる限り続いていくだろうMI。もちろん次作が楽しみでならない。

８月７日（金）より全国ロードショー

監督：クリストファー・マッカリー
出演：トム・クルーズ、サイモン・ペッグ、ジェレミー・レナー、ヴィング・レイムス、レベッカ・ファーガソン、アレック・ボールドウィンほか
原題：MISSION：IMPOSSIBLE ROGUE NATION
製作：2015年／アメリカ／約2時間11分
公式サイト：http://www.missionimpossiblejp.jp/

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