SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2015開幕! 

田畑智子、スギちゃんの登壇で賑やかなオープニングに!

2015年7月18日SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2015(以下SKIP CITY IDCF2015)が、国内外からノミネートされた監督や審査員など沢山のゲストが登壇し、華やかに開幕した。

オープニングセレモニー SKIP CITY IDCF2015実行委員会会長埼玉県知事上田清司氏、同副会長川口市長奥ノ木信夫氏の挨拶では、若手クリエイターを世界に送りだし、また日本に埼玉に戻ってくる、そんな役割を果たしてきた本映画祭がますます世界に広がっていけば、という豊富が述べられると共に、ますます盛んになってきた地元川口のボランティアスタッフの協力に対して感謝の言葉が贈られた。

 また、SKIP CITY IDCF2015総合プロデューサー八木信忠氏からは、まだフィルムが主であった時代に先がけて始めたデジタルシネマ映画祭が、今日のデジタル映画主流の時代において、その普及の一翼を担ったこと。デジタルによって映像表現が広がる一方、逆に映画120年の中で培った映像表現の技術が退化するのではないかというおそれもあること。しかしながら、今回上映される作品を観る限りその心配はなさそうと、デジタルシネマについての回顧と現状が語られ、また若手クリエイターの登竜門であるこの映画祭から、一人でも多くの才能を世に送り出せるよう協力が呼びかけられた。

鉄の子セッション本映画祭のオープニングは、本映画祭で過去2度ノミネート経験がある、福山起監督の『鉄の子』がワールド・プレミア上映された。これは、映画祭出身監督の新作を映画祭実行委員会がプロデュースするユニークなプロジェクトの第一弾で、また地元の川口市を舞台にした家族の在り方を描いたドラマである。オープニング・セレモニーの後、上映に先立ち、本作に出演の田畑智子さん、裵 ジョンミョンさん、スギちゃん、佐藤大志さん(子役)、舞優さん(子役)と福山功起監督による舞台挨拶が行われた。

福山功起

福山功起監督

オープニング作品ということで、プレッシャーを感じたのではという質問に、福山功起監督は、それほどプレッシャーを感じなかったと言う。むしろここは、自分の作家性を出して監督として頑張れというようなタイプの映画祭なので、できるだけ自分のやりたいことをやらせていただければなと思って撮影したとのこと。「この作品は、僕の実話が元になっています。タイトルの鉄というのは、川口が鋳物の街であるということと、子供の成長、家族の気持ちを鉄と表現しております。子供の目線に気を付けて作った映画なので、本当だったらこういうシーンがあるというところを排除した形にしているところが、エンターテインメント作品としてはちょっと変わっているかなと思います」

田畑智子さん

田畑智子さん

 家族がテーマになっている作品ということで、出演者が本当の家族のように、アットホームな雰囲気の中で撮影は進んだようである。それが映画にも滲み出てきている。田畑智子さんは「母親役を演じるのにあたって、私は結婚もしていないし母親でもないので、撮影期間中は、普段から子供たちと一緒にいようとしていました。子供たちの成長を観ていただきたいなと思います」とまるで本当の母親のように語り、子役の舞優さんも「朝早くから夜までみんな一緒に暮らしているみたいで、撮影の最後のほうは、本当の家族のように思えてきて、楽しい撮影でした」と語った。

実際、撮影期間は8日間というタイトなスケジュールだったそうだが、それでも本当の家族のような生活をしたことがいい形で出ており、俳優同士でのディスカッションは特になかったという。父親役の裵 ジョンミョンさんは「僕がやったことに対して、田畑さんが乗っかってくれるということがあったんです。田畑さんと共演できたことがいい経験になりました。田畑さんに胸を借りるつもりでやりました」と語った。

スギちゃん

スギちゃん

出演者の中で、異色なのがお笑い芸人のスギちゃん。「撮影で大変だったことは、普段長袖を着ないので着せられて暑かったことです」などと会場でも一人ジョークを飛ばし、その場を和ませていたのだが、今回は監督が、芸人スギちゃんじゃなくて、役者スギちゃんでと、お願いしたとのこと。男の子が頼りにしている鋳物工場の工員役なのだが、実際に温かくて包容力があるおじさんという感じで、いい味を出している。

当のスギちゃんは「いつも一回でOKが出るので、あれって。監督と気が合うからなのかなって。多分長いお付きあいになるのだろうなと思いました。結構真面目なシーンとかもあるんですけれども、笑いのツボにはまったのか、俺がしゃべるたびに全員が笑い始めて、全然進まなかったこともありました。それにしても監督の実話で、彼の役が大志君でしょ。ちょっと自分を美化しすぎているんじゃねぇかって言ったんですけれどもね」などと、相変わらずスギちゃん節を出して、会場を盛り上げていた。

最後に田畑智子さんはこの作品について「ひとつの家族のひとつのある形だと思います。色々な目線で観ていただける映画だと思いますし、これは実際にあることだなと思いました。今日は温かい視線で見守って下さい」と、この場を締めた。



▼『鉄の子』作品情報▼
鉄の子【ストーリー】
小学生の陸太郎は母親の再婚により、同学年の真理子とキョウダイとなる。それをクラスメイトにからかわれることにうんざりした二人は、「リコンドウメイ」を作り、あの手この手で両親を離婚させようとする。ところが、両親の仲は悪くなるどころか、どんどん良くなっていくのであった。
【スタッフ・キャスト】
監督:福山功起
脚本:守山カオリ、福山功起
撮影:谷口和寛
出演:田畑智子、裵ジョンミョン、佐藤大志、舞優、スギちゃん
製作:埼玉県/SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ
制作プロダクション:アルタミラピチャーズ
2015年/日本/74分
©2015 埼玉県/SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ


poster_visual_2015【SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2015】
●会期:2015年7月18日(土)~26日(日)
●会場:SKIPシティ 映像ホール/多目的ホールほか(埼玉県川口市)
こうのすシネマ/彩の国さいたま芸術劇場(※7月19日、20日のみ)
●主催:埼玉県、川口市、SKIPシティ国際映画祭実行委員会、特定非営利活動法人さいたま映像ボランティアの会
●公式サイト:http://www.skipcity-dcf.jp

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