【TNLF】リメイク
原題:Remake/英題:Remake
監督:アンドレアス・エーマン、ペール・ガヴァティン (Andreas Öhman, Per Gavatin)
出演:リサ・ヘンニ、マッティン・ヴァルストレム (『シンプル・シモン』)
【作品解説】
(TNLF公式サイトより)
日常のすべてを映像に記録し続けているリサは、恋人のマッティンと休暇でNYを訪れる。買い物中に彼とは対照的なニューヨーカーのルーカスと出会い、惹かれたリサは、マッティンの存在を退屈に感じ始め…。役者たちによってゲリラ的に撮影されたドキュメンタリータッチの映像が、2人の男性の間で揺れるリサの心を赤裸々に映し出していく。
【クロスレビュー】
藤澤貞彦:★★★☆☆
カメラが主人公の主観になっているという作品は、過去にもあった。しかし、役者自身がビデオを廻し続けることのみで成立する恋愛映画というのは、初体験だった。それは役者自身が、自ら対象を撮影することによって、主人公の気持ちを表現することを意味する。カメラを通して交わらない視線は、当然ふたりの距離感に繋がる。誠に冒険的な試みだ。写真は対象物に客観的になれるが、ビデオというのは、どうしても主観的になりがちである。よく観光地で撮影をすると、ビデオの映像のみが記憶に残ってしまうのは、そのためだ。故に、何をするにもビデオを廻し続けなければいられない女性が、周りがまるで見えず、自分自身のことすらわからないという設定は、理にかなっている。しかし、彼女の問題が解決するのは、ビデオを置いた時であり、それは同時に映像が消える時であるというジレンマを、彼女自身の問題と共にこの作品は背負ってしまっている。
鈴木こより:★★★☆☆
今カレと元カレの間で揺れ動くヒロインの言動にはイライラさせられっぱなし。だけど、それは監督の狙いどおりかもしれない。見終わって冷静に映画を振り返ってみると、実験的な試みがたくさんあって、なかなか興味深い。即興演出で撮ってるように見えるけど、実はセリフの中にラストにつながるヒント(謎掛け)があって、その解釈によって人それぞれ結末の意味が変わってくるのかもしれない。という意味で、もう一度観たい! しかし『シンプル・シモン』の監督が撮ったとは驚きで、作風もだいぶ違うし挑戦作と言えるだろう。
2014年/スウェーデン/スウェーデン語、英語(Swedish, English)/73min
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「北欧映画の一週間」
トーキョーノーザンライツフェスティバル 2015
会期: 2015年1月31日(土)~2月13日(金) ※音楽イベントは別途開催
会場: ユーロスペース、アップリンク 他
主催: トーキョーノーザンライツフェスティバル実行委員会
公式サイト: http://www.tnlf.jp/index.html