【TNLF】ドグマ・ミーティング
原題:De lutrede/英題:The Purified
監督:イェスパー・ヤーイル(Jesper Jargil)
出演:ラース・フォン・トリアー、トマス・ヴィンターベア、
クリスチャン・レヴリング、クラウ・ヤーコブセン
【作品解説】
(TNLF公式サイトより)
「ドグマ95」の提唱から5年後の2000年、ラース・フォン・トリアーと共に映画運動の道に踏み入った盟友ヴィンターベア、『キング・イズ・アライブ』、『ミフネ』の監督ら4人が集められ、夜を徹しての反省会が始まった。“純潔の誓い”がもたらした希望と興奮、そして撮影現場での滑稽なまでの苦しみがいま明らかに!
【クロスレビュー】
藤澤貞彦:★★★★☆
映画生誕100年を祝う最中、ラース・フォン・トリアー監督によって出された衝撃的なドグマ95の宣言から5年。集まった4人の監督たちが、自分たちの映画を検証するのだが、「今のはズルだぁ」などと、お互いのことを批判しあうのが、妙に可笑しい。ドグマ95の当初の意図がわかりやすく語られている。しかし、彼らが何と言おうと、リュミエール兄弟の時代には戻れない。むしろ足枷をはめることで、かえって個性が浮かび上がってくるのが、優れた映画作家の証なのである。究極のドグマ95映画となると、『JAPAN IN A DAY [ジャパン イン ア デイ]』の中にある、幼児が撮った映像となってしまうわけで、かつ現代では、それでも映画として成立しているのを見るにつけ、95年から2000年代前半辺りが、映画の過渡期だったのだなぁと、別な意味の感慨も湧いてくるのであった。
鈴木こより:★★★★☆
なぜこの十戒のようなドグマを課すのか、そしてこの監督たちはどこを目指しているのか等「なるほど、そういうことだったのか!」がいっぱい詰まったドキュメンタリー。でも何より楽しめたのは、この作品から見えてくる4人の監督のキャラクターと関係性。ラース・フォン・トリアーって意外にお茶目で、また他の監督からも一目置かれているんだなとか、ヴィンターベアは見た目だけじゃなくキャラもイイとか、これまで知り得なかった彼らの一面がとても興味深い。自分たちで宣誓したもののドグマの縛りに悪戦苦闘し、ルール違反も続出(笑)。証拠ビデオを見ながら、互いに容赦ないバッシングを繰り広げる様子が可笑しかった。
2002年/デンマーク/デンマーク語(Danish)/68min
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「北欧映画の一週間」
トーキョーノーザンライツフェスティバル 2015
会期: 2015年1月31日(土)~2月13日(金) ※音楽イベントは別途開催
会場: ユーロスペース、アップリンク 他
主催: トーキョーノーザンライツフェスティバル実行委員会
公式サイト: http://www.tnlf.jp/index.html