【TNLF】ビッチハグ

クロスレビュー

Bich_Hug1原題:Bitchkram/英題:Bitch Hug
監督:アンドレアス・エーマン(Andreas Öhman)
出演:Linda Molin、クリストッフェル・ ベルイルンド

【作品解説】

(TNLF公式サイトより)
野心家で奔放なクリスティンは、憧れのNY生活についてのコラム連載を地元紙で約束され浮かれていたが、飛行機に乗り遅れてしまう。今更家に戻れない彼女は、偶然出会った風変わりな少女、アンドレアの家に転がり込み、NYにいるふりをするが…。大嫌いだけど、大好きな自分自身と向き合う、少女たちのかけがえのない一夏の物語。


【クロスレビュー】

藤澤貞彦:★★★★☆

この作品は、すべてが対立項から成りたっている。仲の悪い姉と妹。性格や髪の色まで正反対の、主人公と少女アンドレア。NYの高層ビルと森、賑やかさと静けさ、人工的な街と大自然の中の家、ペントハウスと屋根裏部屋。嘘の中から真実が生まれ、真実と思っていたことに嘘がある。なぜか。これは、物事を好き嫌い、勝ち負けだけで分けていた少女の物語だからである。好きなものだけではだめ。反対のものを理解できなくても、理解しようとした時に初めて自分の姿が見えてくる。身勝手だった彼女の中で「私のことが好きだけれど嫌い」が「嫌いだけれど好き」になった時、はじめて人生は動き始める。ビッチという悪い言葉だって、ハグを付ければ素敵になる。劇中に散りばめられたポップスも魅力的で、爽やかな作品。エーマン監督は、この路線がやっぱりいい。

鈴木こより:★★★★★

「今の自分が冴えないのは、ぜんぶ田舎町のせい!」と言わんばかりの女子高生がヒロイン。NYに行けばステキな夢や恋人との出会いがあって全てが変わると信じている。ところがそんな彼女を変えた運命の人は、森のなかに住む自分とまったく違うタイプの少女だった。
『シンプル・シモン』のアンドレアス・エーマン監督が、北欧の爽やかな夏を舞台に、少女たちの“居場所”の意味を問う青春物語。今作も想像力に富んだ独特の世界観と、感傷に浸りすぎないポップで軽やかな語り口に魅了される。クセのある若者を見守る大人たちの大らかな眼差しもいい。


2012年/スウェーデン/スウェーデン語(Swedish)/101min
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イベント、スケジュール等の詳細については公式サイトをご覧ください。

「北欧映画の一週間」
トーキョーノーザンライツフェスティバル 2015
会期: 2015年1月31日(土)~2月13日(金) ※音楽イベントは別途開催
会場: ユーロスペース、アップリンク 他
主催: トーキョーノーザンライツフェスティバル実行委員会
公式サイト:
 http://www.tnlf.jp/index.html

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(c)Chisato Tanaka

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