【TIFF】神様なんかくそくらえ(コンペティション)

映画と。ライターによるクロスレビューです。

※2015年12月26日(土)より新宿シネマカリテ他にて全国順次ロードショー

神様なんてくそくらえ【作品解説】(TIFF公式サイトより)
少女の青年に対する絶望的な愛の物語を軸に、ジャンキーとして生きていくノーフューチャーな若者たちを徹底したリアリズムで描くドラマ。情感を排したドライなNYの姿が、痛々しくも新鮮に映る。本作は、主演女優のアリエル・ホームズの実際の体験談を、ベンとジョシュのサフディー兄弟監督が脚本にして映画化したものである。劇中でドラッグに依存する自分自身を演じるアリエルの振る舞いは、さすがに真に迫る。マンハッタンをさまようアリエルやその周辺の連中の空虚な行動は絶望的であるものの、本人たちに悲壮感はなく、人物像の背景説明が省略されている分、実際にストリートのドキュメンタリーを見ているような感覚に陥る。ジョン・カサヴェテスの名を冠した賞の受賞経験がある兄弟監督であるが、その賞に恥じないエモーションとテンションを保っているどころか、特徴のある音楽やストリートに溶け込んだかのようなカメラワークで、独自の世界の構築に成功している。アメリカのインディー・シーンでは名の通った監督たちであり、今後のさらなる飛躍のきっかけとなる1本である。イリヤ役にケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』『ビザンチウム』)が共演のほか、ストリートの伝説的存在であるBuddy Duress、天才ラッパーのNecroも出演。


【クロスレビュー】
主演女優が自身の体験を再現しているだけに、ドキュメンタリーのようなリアルさがある。破滅的な愛とドラッグに溺れた彼女の素顔に、カメラは遠慮なく迫り、その投げやりな人生と実態を映し出していく。リストカット、万引き、嘘、ケンカと何でもありで、日常では絶対に関わりたくないタイプの人間だし、好みの映画でもないのだけど、この先どこまで堕ちていくんだろうという、ある種の好奇心から目が離せなかった。その彼女が今回ゲストとして来日し、目の前に存在していたということが未だに信じられない。
(鈴木こより/★★☆☆☆)

この作品、主演女優の実体験を元にした話という予備知識があるか否かで印象が変わってくるだろう。百歩譲っても共感できる登場人物は皆無だし、ここまでどん底の生活があるのかという点に実感が持てないのだが、ただ実際にこういう人がいたということで(しかも主演女優)、「そうなんだろうねぇ・・・」とバイアスのかかった説得力を持ってしまう。正直なところ、予備知識なく見たかったのが本音。ただ、どんなに困窮した状況下でも愛(それがたとえクレイジーなものであっても)が存在するということが、人間としてまだ救いがあるのではないか・・・と考えさせられる。ヒロインの恋人役ケイレブ・ランドリー・ジョーンズは『アンチヴァイラル』に続き、病的な役柄がはまり役。
(富田優子/★★★☆☆)


監督:ジョシュア・サフディ、ベニー・サフディ
出演:アリエル・ホームズ、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、バディ・デュレス
96分 英語 Color | 2014年 アメリカ=フランス|
© HARDSTYLE LLC


【第27回東京国際映画祭】
開催期間:2014年10月23日(木)〜10月31日(金)の9日間
会場:六本木ヒルズ、TOHOシネマズ日本橋、歌舞伎座など
公式サイト: http://www.tiff-jp.net

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  1. 映画感想 * FRAGILE

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    神様なんかくそくらえHeaven Knows What/監督:ジョシュア・サフディ、ベニー・サフディ/2014年/アメリカ・フランス 誰も聞かない声で叫ぶ 第27回東京国際映画祭、TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン6、C列13番で鑑賞。ケイレブ・ランドリー・ジョーンズが来日予定かも、っていう情報が入ってきて、ひととおり発狂したのち、チケット押さえました。このために会社を休んだよ。来日確定してなかったけど。だって、ほんの少しでも会えるかもしれないっていう希望があったら、それに賭けるよね? で、登…

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