オーランド・ブルーム、7年ぶりの来日会見

主演作『ケープタウン』の手応えを語る

Oブルーム2 8月27日、『ロード・オブ・ザ・リング(LOTR)』『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズでおなじみ、オーランド・ブルームが最新主演映画『ケープタウン』(8月30日公開)を引っ提げて7年ぶりに公式に来日した。開口一番にオーリーは、「初めて来日したのは『LOTR』のプロモーションだったけれど、それ以来とても好きな国」と親日ぶりをアピール。すでに原宿を観光したり、日本食を食べたり・・・と異文化との触れ合いを堪能しているようだ。

本作の舞台は2013年、南アフリカのケープタウン。オーリー演じる刑事のブライアンは上司のアリとともに白人少女殺害事件と黒人の子供連続行方不明事件を追ううちにアパルトヘイトの根深い闇に引きずりこまれ、やがて恐るべき真実に直面することとなる。その相棒アリに扮したのはオスカー俳優フォレスト・ウィテカー。彼との初共演についてオーリーは、「フォレストは本当に素晴らしくて、その役柄になりきる姿勢には感銘を受けたよ。それだけではなく人間としても思慮深くて素敵な人で、共演できてとても光栄だよ。もしまた機会があれば、ジャンルにこだわらず何度でも共演したいね」と絶賛する。また、同僚の刑事ダン役の南ア人俳優コンラッド・ケンプとオーリーがブロードウェイの舞台「ロミオとジュリエット」でも再共演した経緯について、「僕が撮影後にコンラッドにオーディションを受けたら?と勧めた」とのこと。本作で培った縁を大事にしているようで、「日本でコンラッドに関する質問が出たと聞いたら喜ぶよ。彼に伝えなくちゃ!」と笑顔で語った。

多くの人がオーリーを認識したのは、やはり『LOTR』だろう。筆者も美しい長髪をたなびかせて敢然かつ優雅に戦うレゴラスに「きゃー!」と心奪われたが、大人気シリーズ後の作品を見るたびに「かっこいいけど、演技力はどうなんだろ・・・?」的な疑問がついて回ったのも事実であった。しかし、本作では従来の甘い(だけの)イメージを脱却し、新境地を開いたと言えよう。刑事としての腕は一流だが、酒と女にだらしなく、やさぐれ感満載のブライアンを予想以上に好演し、正直なところ驚いた。

Oブルーム1 ブライアン役を引き受けた理由として、「自堕落だけど矜持と彼なりの価値観を持っているというキャラクターが決め手だった」とオーリー。その役作りについて、「今まで演じたことがないキャラクターだったので、エキサイティングだったし挑戦しがいがあった。ジェローム・サル監督も「振り切ってやってみよう」と声をかけてくれたしね。心掛けたのは発音のアクセントや体づくり。南アの人はマッチョな人が多いので、6か月くらいトレーニングをして撮影に臨んだんだ」と明かす。

また、本作の舞台はアパルトヘイト後の南アということもあり、「南アでは警官として生きることがとても厳しいと感じた。命の対価が安くて、南アの警官たちは毎日厳しい現実に直面していることが分かった。また一般の人々の貧困などの厳しい現状を目の当たりにして心が痛んだよ。だからそれと向き合いたくないからブライアンは酒やクスリに頼ってしまったんだろう・・・と考えて、演じたんだ」とこれまでの作品とは違う、重い覚悟を持って臨んだことが窺えた。

オーリーは邦題『ケープタウン』も気に入っていたようで、「ケープタウンの街そのものが映画のキャラクターとして成り立っているし、日本語タイトルが(『ケープタウン』というのは)とてもいいよね」と、作品の出来から考えても納得の様子。ファンへの「映画を楽しんで」「ミンナ、ダイスキ(日本語)」というメッセージの文言のなかでも、しっかり「ケープタウン」という言葉を使ってくるなど、アピールを忘れなかった。

『ケープタウン』は8月30日(土)新宿バルト9他にてロードショー

▼作品情報▼
ケープタウンmains出演:オーランド・ブルーム、フォレスト・ウィテカー、コンラッド・ケンプ
監督:ジェローム・サル(『ラルゴ・ウィンチ裏切りと陰謀』)
脚本:ジュリアン・ラプノー(『あるいは裏切りという名の犬』)、ジェローム・サル
原作:キャリル・フェリー著「ZULU」
原題:ZULU
配給:クロックワークス
2013年/フランス/107分
公式サイト:http://capetown-movie.com/
(C)2013 ESKWAD-PATHÉ PRODUCTION-LOBSTER TREE-M6FILMS
8月30日(土)新宿バルト9他にてロードショー

トラックバック URL(管理者の承認後に表示します)