『サンシャイン/歌声が響く街』クロスレビュー

m0000000742監督:デクスター・フレッチャー
出演:ピーター・ミュラン「戦火の馬 」「トレインスポッティング」/ジェーン・ホロックス「リトル・ヴォイス 」/ジョージ・マッケイ/ケヴィン・ガスリー/アントニア・トーマス/フレイア・メーバー/ジェイソン・フレミング「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」

【作品解説】
英国大ヒットミュージカルの映画化!
スコットランド版「マンマ・ミーア!」誕生!

80年代の名曲にのせて贈る、涙と喜びに溢れた家族と、彼らを取り巻く人々の感動の物語。名作『トレインスポッティング』が生まれた街を舞台に、同製作スタッフが再び結集。

(物語)曇り空が続く町、スコットランドのリースで、結婚25周年を迎えるロブとジーン。そこへ息子のデイヴィーと、娘のリズの恋人アリーが、アフガニスタンでの兵役から帰還、一家は一気にお祝いムードに包まれる。ところが──大勢の親戚と友人を招いた盛大な銀婚式のパーティで、家族に予想もしなかった危機が訪れる。ロブに24歳になる隠し子がいることが発覚したのだ。さらに、アリーからプロポーズされたリズは、目の前の愛よりも遠いフロリダで働く夢を選ぶ。恋人との新生活をスタートしたデイヴィーも、人生を共にすることは甘いことばかりではないと思い知る。悩み傷つき、バラバラになった家族。彼らを再び結びつけた、ある出来事とは──?


【クロスレビュー】

スコットランドを舞台に(とにかく風景が素晴らしくて旅に出たくなる!)、将来、仕事、恋愛、そして家族の問題を歌声に乗せたミュージカル。“おしゃれ感”はあまりないが、素朴な雰囲気に好感が持てる。恐らく登場人物の誰かしらの悩みに共感を持つことだろう。全体的に言えるのは、男性より女性のほうが前向きで行動的で強く描かれていることが印象的だ。そういう女性に対して、公開プロポーズはそりゃ地雷だよ~とかツッコミたくなるようなシーンも(苦笑)。とは言え、予定調和かもしれないがラストの大勢の通行人を巻き込んだ大合唱とダンスには、素直に心が動かされる。やっぱりミュージカルはハッピーエンドのほうがいい!と改めて思ってしまった。
(富田優子/★★★☆☆)

仲睦まじい夫婦とその家族が思いがけない事態に直面し、混乱に陥っていく。シャレにならない展開が続くのに重苦しくならず、パワフルな歌とダンスで「何とかなるさ」という気分にさせられてしまう。
エディンバラ、リース、グラスゴーといった街の存在感も大きく、魅力的。そこに住む人々の想い(太陽を待ちわびる気持ちや、イングランドへの隣人感情など)も描かれていて、100分という時間の中でスコットランドという国の側面を上手く伝えているのではないだろうか。
(鈴木こより/★★★☆☆)

古典的とも言えるボーイ・ミーツ・ガール・ミュージカル。『リトル・ヴォイス』のジェーン・ホロックスの歌声、ケン・ローチ作品の常連ピーター・ミュランのまさかのダミ声の歌など楽しみは多い。それよりエディンバラ、リース、かつてはくすんで見えた街が随分と綺麗になっていたのに驚いた。エディンバラの群衆を集めてのダンスシーンは、踊りがバラバラでありながら、楽しそうな様子が伝わってきて微笑ましくさえある。なぜ今この映画…そう、これはある意味エディンバラの街おこし映画でもあったのだ。そう考えると物語の中で、お洒落なお店や観光スポットがさりげなく使われているのがとても理解ができる。また、エディンバラを訪ねてみたくなった。
(藤澤貞彦/★★★☆☆)


m0000000742_sub12013年/イギリス/100分
配給:ギャガ
公式サイト:http://sunshine.gaga.ne.jp/
(C)DNA Films

2014年8月1日 ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー

トラックバック URL(管理者の承認後に表示します)