「マチェーテ」映画化!~「グラインドハウス」の予告編から

クエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスが競作したB級映画へのトリビュート『グラインドハウス』の中に登場した噂の予告編。ファンの声と元囚人の俳優ダニー・トレホの執念により奇跡の映画化!!

罠にはめられ失職した元連邦捜査官マチェーテ(ダニー・トレホ)。移民嫌いの政治家(ロバート・デ・ニーロ)の暗殺を強要されるが、それもまた罠だった。復讐を決意したマチェーテの運命はいかに?!

『グラインドハウス』同様、タランティーノ×ロドリゲスによる、ド派手なラテンフレーバー・ムービー。刺激度100%!!!ホラーの要素はないものの、心臓の悪い方や妊婦さんにはおススメできません。
アウトローたちが必殺剣を手にチャンバラを繰り広げ、セクシーコスチュームをまとった美女たちがマシンガンをぶっ放つ。近年稀にみる迫力の肉弾戦は圧巻。ジェシカ・アルバほか、セクシー美女が多く出てくるが、ゴシップの女王リンジー・ローハンが、ヌードになったり修道女になったりと、私生活同様のハイな娘を熱演しているのも見どころ。そんな美女たちにモテモテのマチェーテ。強面だし美形とは言えないけれど、男気で勝負といったところか。
全篇を通して、ブラックユーモアも満載!

そして、ドンパチばかりでは終わらない。
物語の背景には移民問題、貧困とドラッグ、政治家の汚職など、メキシコと隣合せのテキサスが抱えるテーマが描かれていて、B級というよりはカンヌ映画祭向きといった趣き。なんてったって、名優ロバート・デ・ニーロが脚本に惚れこみ、劇中では奪ったタクシーをドライブ(運転)・・・、というサービスカットまで披露してるほど。
多くのテーマを盛り込んだうえ、話が二転も三転もするが、見る側が迷子になることなく、ノンストップで引き込まれる作りに仕上げているのはお見事。

「好みの映画じゃなかった…」と最初の5分間は激しく後悔したものの、気がつくと、この “とうがらしムービー” を楽しんでる自分がいました。『グラインドハウス』より好きです。
11月6日(土)から新宿バルト9ほか、全国ロードショー!

刺激度:★★★★★

Text by 鈴木こより

監督:ロバート・ロドリゲス
出演:ダニー・トレホ、スティーヴン・セガール、ミシェル・ロドリゲス、リンジー・ローハン、ジェシカ・アルバ、ドン・ジョンソン、ロバート、デ・ニーロ
原題:MACHETE
1時間45分/2010年/アメリカ映画
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

公式サイト:http://www.machete.jp/

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