【TIFF】ほとりの朔子(コンペティション)
2014年1月18日(土)よりシアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開
作品解説(公式サイトより)
東京国際映画祭から世界に羽ばたいた『歓待』から3年、杉野希妃プロデュース、深田晃司監督コンビの最新作。海と山のほとりで、子供と大人のほとりで揺れる主人公・朔子の淡い恋心がキュートな社会派青春夏物語。
大学受験浪人中の夏に、母の妹の地域研究学者である海希江叔母さんの誘いで、海と山のほとりの避暑地を訪れる朔子。そこで海希江の幼なじみの兎吉と、その甥で福島から避難してきている同年代の孝史と出会う。孝史と幾度か会う度にふたりの距離が近づいていく。子供と大人のほとりにいる朔子が、大人たちのなかで人生の複雑さを少しだけ覗きみる夏物語。2010年の東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門で作品賞に輝き、世界100ヶ所以上の映画祭からオファーが殺到した『歓待』の深田晃司監督と杉野希妃プロデューサーコンビが、二階堂ふみ、鶴田真由、太賀、古舘寛治等を迎えて新たに制作した社会派青春夏物語。
クロスレビュー
ここ最近の活躍が目覚ましい二階堂ふみが、大人の階段の途上にある少女・朔子を好演。彼女のきらめきを大きなスクリーンでぜひとも堪能してほしい。朔子が覗く大人の世界は疑惑があり、滑稽で、ちょっとずるい。それを「暑いよね」「そうですね」などというたわいのない会話や表情のニュアンスで見せるのがいい。二階堂の脇を固める俳優陣のアンサンブルにも多幸感を覚えるが、特に印象的なのが古舘寛治と杉野希妃演じる親子。カラオケのシーンはバカみたいでいとおしくて、秀逸だ。深田監督と杉野プロデューサーは、世界でも愛される日本映画を生み出す確かな才能を、本作でも確信させてくれた。
(富田優子/★★★★★)
大学受験に失敗した18歳の朔子が叔母と訪れた田舎町での1週間。前半は説明体のセリフが多くみんなが饒舌な感じが気になったけれど、後半の言葉少なで映像で見せる部分は好感が持てた。その土地の人間ではなく、大人と子どもの辺境にあり、どちらにも属さない「ほとり」にいる朔子。だからこそ見えるものってあるんだろう。自分と他者との関係性。押しつけがましくなく示唆されるのは、叔母と姪、叔父と甥と言った親子ではないゆるい関係性のなかで展開するからかもしれない。二階堂ふみの気負わない演技も良かった。
(外山香織/★★★☆☆)
夏という季節の持つ浮遊感。ほんの少し引いたところから周りを見つめている朔子の、子猫のような佇まいが魅力的だ。否定せず、深入りせず、ひとつひとつの経験を静かに受け止める彼女の居方は、深田監督の視点に通じているのかもしれない。家出の夜、朔子と孝史が見るパントマイムの赤い風船がやけに記憶に残った。太賀の素朴さ、鶴田真由の凛々しさ、古舘寛治の緩い優しさのコントラストもいい。それにしても“悩める男子を全速力で追いかけながら励ます”芝居において、二階堂ふみの右に出る女優はいないなあ。
(北青山レオ/★★★★☆)
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125分 日本語 Color | 2013年 日本=アメリカ | 配給:株式会社和エンタテインメント
上映情報
▼TOHOシネマズ 六本木ヒルズ Screen7
10/19 13:55 – (本編125分)
登壇ゲスト(予定):舞台挨拶: 深田晃司(監督/脚本/編集/共同プロデューサー)、杉野希妃(プロデューサー/女優)、太賀(俳優)、古舘寛治(俳優)
Q&A:深田晃司(監督/脚本/編集/共同プロデューサー)、杉野希妃(プロデューサー/女優)
▼TOHOシネマズ 六本木ヒルズ Screen6
10/22 11:00 – (本編125分)
登壇ゲスト(予定): 舞台挨拶: 深田晃司(監督/脚本/編集/共同プロデューサー)、杉野希妃(プロデューサー/女優)
Q&A: 深田晃司(監督/脚本/編集/共同プロデューサー)、杉野希妃(プロデューサー/女優)
第26回東京国際映画祭
期間:2013年10月17日(木)〜10月25日(金)9日間
場所:六本木ヒルズ(港区)をメイン会場に、都内の各劇場及び施設・ホールを使用
公式サイト:http://tiff.yahoo.co.jp/2013/jp/tiff/outline.php