探偵はBARにいる

ススキノをこよなく愛する探偵役に大泉洋が挑む!痛快バディームービー

北海道は札幌の歓楽街、ススキノをホームグラウンドとする探偵の「俺」(大泉洋)。いつものように行きつけのバーで飲んでいると、コンドウキョウコと名乗る謎の女から電話がかかる。訝りながらも女の依頼を受けた探偵だが、いきなり命を危険に晒すような出来事に遭遇。依頼の背景に複数の殺人事件が絡んでいることを知った探偵は、相棒の高田(松田龍平)とともに、コトの真相を探ろうとするのだが…。

探偵モノの魅力は、スリリングな展開や謎解きもさることながら、探偵のキャラクターに拠るところも大きいのではないだろうか。原作は東直己の人気ミステリ「ススキノ探偵シリーズ」の第2作目。酒好きで女に弱く、携帯も持たず車の運転もできない、腕っぷしもそれほど強くない。カッコイイのか悪いのか、善人なのか悪人なのかも謎。けれど時折(いつもではないのがポイント)見せる男気と優しさ。そんな探偵役を演じたのが、故郷・北海道を熱烈に愛する男、大泉洋。これ以上のハマり役はないだろう。さらに、探偵には頼もしい相棒がつきもの。人気ドラマ「相棒」を手掛けた橋本監督だけあって、これまた一見不釣り合いと思われるパートナーを登場させた。ダサい風貌で無愛想、だけとケンカはめっぽう強い大学院生の高田。なぜこのふたりがツルんでいるのか不思議なのだが、彼らの掛け合いと息の合ったコンビネーションが本筋のミステリを忘れてしまうほど(?)面白くて心地よい。

また、本作はアクションもかなり気張っている。まず映画は、探偵が雪穴に埋められて半殺しの目に遭うところから始まる。「あ、これってそういう映画?」と観客に思わせる掴みはバッチリ。先述のとおり探偵は決して肉体派ではないが、無様な姿を晒しつつも頑張ってしまう。何のために? 正義のため、依頼人のためと言いたいところだが、実のところ「俺」の街・ススキノに対する愛情のなせる業ではないかと思えてくる。いや、それは主役が大泉洋だからかもしれないが。

映画全体としては、クールでシャレた現代ドラマと言うより、あえてB級路線を狙い、どことなく昭和な雰囲気に仕立てているという印象。特に、『探偵はBARにいる』と銘打っているだけあって、バー「ケラーオオハタ」のセットは相当作り込んでいる。カウンターだけの小さな店に、所狭しと並んでいる酒の数々、寡黙なマスター、黒電話…。隠れ家のような、探偵が根城とするにふさわしい空気だ。お酒好きな人はこんなところにも注目してみてはどうだろうか。

オススメ度 ★★★☆☆

Text by 外山 香織

原作: 東直己「バーにかかってきた電話」
監督:橋本一
出演:大泉洋、松田龍平、小雪、西田敏行、高嶋政伸
2011年/日/125分
(C) 2011「探偵はBARにいる」製作委員会
公式サイト

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