「抱きたいカンケイ」ナタポーの相手役、アシュトン・カッチャーがラブコメの新王に!?


原題の「NO STRINGS ATTACHED」は「紐がついていない」という意味で、主人公の女医エマがまさにそんな女性である。いつも忙しい彼女は、野生動物のような男女カンケイを求めていて、感情抜きでヤリたい時にヤるのがモットー。気楽なカンケイを謳歌しながら激務もしっかりこなし、完全に自立した人生を送っている。
そんな完全なる肉食系女子役に、オスカー女優ナタリー・ポートマンがとびきりハジけた演技で挑んでいる。当然ラブシーンも多々披露しているが、さすがはナタポー、胸やけするような濃厚な後味は残しません。しまいには爽やかさすら感じてしまうから不思議。
本作では主演だけでなく製作総指揮も務めており、「これが現代女性の究極の生き方なのか?」と問いかけるような、一味違うラブコメに仕上げている。

一方、相手の男性アダムを演じるのは、実生活で16歳年上のデミ・ムーアを妻にもつアシュトン・カッチャー。彼からにじみ出る柔らかい色気が、カラダだけの割り切ったカンケイにその後の展開を予感させる甘い雰囲気をもたらす。どこか間抜けなところも母性本能をくすぐるというプラスの効果に。
花束の代りに人参の束を贈るというサプライズなんかは、女子をイラっとさせる的外れな演出にすぎないが、あの笑顔を前にしたらとりあえずは許してしまうというもの。アシュトンにとっては、前2作『バレンタインデー』『キス&キル』(両作とも2010年)で受賞したラジー賞の汚名を払拭できる、どストライクなハマり役といっていいだろう。
ラブコメの帝王ヒュー様ことヒュー・グラントが雲隠れしている今、その鍛え上げられた肉体と笑顔で新王の座をゲットすべく、今後もラブコメに挑戦していただきたい。

そんな二人の挑戦的なカンケイだが、セックス・フレンドのルールに従ったものの、やがて湧き起こるピュアな感情に抗えなくなるという局面を迎える。ナタリー×アシュトンというチャーミングなコンビゆえ、その後の急展開に引き込まれていく。

4月22日(金)より、新宿バルト9ほか全国ロードショー!

おススメ度:★★★★☆
Text by 鈴木こより

原題:NO STRINGS ATTACHED
監督:アイヴァン・ライトマン
出演:ナタリー・ポートマン、アシュトン・カッチャー、ケイリー・エルヴィス、ケヴィン・クライン
配給:パラマウントピクチャーズジャパン
108分/2011/アメリカ
公式サイト:http://www.dakitai-kankei.jp/

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