【FILMeX】第20回東京フィルメックスが開幕
第20回東京フィルメックスの開会式が11月23日(土)、東京・有楽町朝日ホールにて行われた。昨年のスポンサー木下グループが撤退、映画祭は再び困難な状況に直面したが、新たな協賛企業を集い、例年どおりの開催にこぎつけた。市山尚三映画祭ディレクターから支援をしたファンと新しくスポンサーになったシマフィルムへの感謝とともに、東京フィルメックスが、映画界に貢献した団体に贈られる日本映画ペンクラブ賞を受賞したという、嬉しいニュースが報告されると、会場から暖かい拍手が贈られた。
市山尚三映画祭ディレクターから今年の審査員として、出演作品『ある女優の不在が』が今回上映されるイランの女優ベーナズ・ジャファリ、昨年フィルメックスで最優秀作品賞を受賞した『アイカ』の主演女優サマル・イェスリャーモア、写真家の操上和美、深田晃司監督が紹介され、登壇した。つづいて今年の審査委員長は、香港の映画監督、プロデューサー、シュウ・ケイが務めることになっていたが、デモの影響で来日が出来なかったこと、おとといになって審査委員長を急きょ英国の映画評論家トニー・レインズ氏にお願いしたことが伝えられた。
深田晃司監督との再会に、登壇するなり彼の肩を引き寄せたトニー・レインズ氏は、第17回のフィルメックス以来2度目の審査委員長となるが、他の審査員と今会ったばかりで、代表としてひと言といっても難しいところではあるが、と断ったうえで挨拶した。「今年はフィルメックスにとてって激動の年でしたが、市山さんのチャレンジ精神を受け止めて今ここにこうしています。フィルメックスの審査員を務めるのは一生に一度の機会かと思っていたので、お声がかかるとは思ってもおらず、驚いているのですが、フィルメックスを助けたいという思いでここにおります。今年のコンペの作品は力強い作品が揃っていますので、非常に難しい審査になるのではないかと思います」
そして表情を崩すと、「前回は安倍晋三首相に関連したジョークを言ったのですが、今年はロンドンから今朝着いたばかりですので、時差ボケが大変なんです。英気を養ってクロージングには、安倍首相に関するジョークを披露したいと思っております」と、前回同様のお茶目ぶりを発揮し、会場を和ませた。
コンペは、今年も10作品。常連のペマツェテン監督『気球』パク・ジョンボム監督『波高』、人材育成プログラムのタレンツ・トーキョー出身のアンソニー・チェン監督『熱帯雨』、日本からは、中川龍太郎監督『静かな雨』、広瀬奈々子監督『つつんで、ひらいて』などが上映される。特別招待作品も、ロウ・イエ監督のミステリー『シャドウプレイ』、ウェイン・ワン監督『カミング・ホーム・アゲイン』、ペドロ・コスタ、ジャファル・パナヒ、ハイファ・アル=マンスール監督の新作など、見逃せない作品が揃う。他にもオリヴィエ・アサイヤス監督『HHH:侯孝賢』と侯孝賢監督の旧作上映、キン・フー特集、歴代受賞作人気投票上映など、見所は尽きない。
第20回東京フィルメックスは、本日23日から12月1日までの9日間、東京の有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日比谷などで開催される。
▼第20回東京フィルメックス▼
期間:2019年11月23日(土)〜12月1日(日)
【メイン会場】有楽町朝日ホール(有楽町マリオン)11/23(土)〜12/1(日)
【レイトショー会場】TOHOシネマズ日比谷11/23(土)〜12/1(日)
【映画の時間プラス会場】ヒューマントラストシネマ有楽町 (11/23(土)のみ)
主催:認定NPO法人東京フィルメックス
共催:朝日新聞社
公式サイト https://filmex.jp/2019/