『1987、ある闘いの真実』チャン・ジュナン監督インタビュー

「その真実をなぜ誰も伝えないのだろうか?」30年前に抱いた疑問

——事件の当事者には、ご存命の方が何名もいらっしゃると思います。この映画は、史実をもとにしながらも、エンターテインメントとしても面白い作品に仕上がっていますが、映画化にあたり気をつけたことは?

おっしゃるとおり、命を落とした大学生のご遺族にも存命の方がいらっしゃるので、映画をつくる上で一番気を遣いました。この映画を制作することで違う傷をつけたり、あるいは迷惑をかけてしまってはいけない。一方で、これは映画でもあるので、どうしても脚色される部分はあります。けれども、最大限、ファクトを損ねてはいけないと考えました。ドラマはつくるけれどもファクトの部分を損なわない。それを原則にして脚色していきました。
映画が公開されると、予想していたとおり、さまざまな議論が交わされました。例えば、(映画では正義の側にある人物として描かれる)ソウル地検のチェ検事や、永登浦(ヨンドゥボ)刑務所のアン・ユ係長は、良い部分もあれば、実際には悪い部分もあった人物でしたから。私たちが非常に慰められたのは、遺族の方々がこれを見て、「作ってくださってありがとう」と言ってくれたこと。それを聞いて安心しました。

人はどうしても長いものに巻かれたり、無用のトラブルを避けようと意見を押し殺したりしてしまう。31年前、一人一人が持つ声のパワーを信じて立ち上がった人々のエネルギーを、この映画は次世代につなぐ役割を果たしている。

『1987、ある闘いの真実』より

Profile
チャン・ジュナン
1970年生まれ。『地球を守れ!』(2003年・未)で長編映画監督デビュー。韓国・釜山映画祭が企画したオムニバス映画『カメリア』(2011年)で、日本の行定勲監督らとの競作を果たす。2013年、『ファイ 悪魔に育てられた少年』が韓国で大ヒットを記録した。


9月8日(土)よりシネマート新宿ほか、全国順次公開中
(c)2017 CJ E&M CORPORATION, WOOJEUNG FILM ALL RIGHTS RESERVED

1 2 3

トラックバック URL(管理者の承認後に表示します)