【フランス映画祭】フランス映画祭2017が開幕！ ： 映画と。

6月22日、TOHOシネマズ日劇スクリーン1にてフランス映画祭2017オープニングセレモニーが行われ、4日間にわたる映画祭が始まった。今年で25回目の節目を迎えた映画祭、その記念に相応しく、カトリーヌ・ドヌーブを団長に、北野武をフランス映画祭2017親善大使として迎えたほか、イサベル・ユペール、ポール・バーホーベン監督、アンヌ・フォンテーヌ監督、マルタン・プロヴォ監督、若手女優のルー・ドゥ・ラージュなど豪華なゲストを迎え、華やかに開幕した。

カトリーヌ・ドヌーブ団長

最初に今年の団長であるカトリーヌ・ドヌーブのトリビュートフィルムが上映された。『シェルブールの雨傘』から昨年フランス映画祭で上映された『太陽のめざめ』まで。時代ごとにさまざまな作品で魅力を放ってきた、彼女の名場面の数々に魅了され、気分が最高潮に高まったところで、ご本人が壇上に登場。会場は大きな歓声と拍手に包まれた。金糸、銀糸の刺繍がされたキラキラした衣装もシックに着こなし、幾つになっても華やかなオーラに包まれたドヌーブの姿に、会場からはため息も。花束を渡されたカトリーヌ・ドヌーブは団長として「２５回目のフランス映画祭の団長を務められることに、大変感動しております。今回11作品が選ばれておりますが、そのうちの4本が女性監督のものであります。これは大変重い意味を持っております。とても素晴らしい選択だと思います。多くの皆様にお越しいただき大変うれしく思っております」と挨拶。その姿は、さすが大女優の風格に溢れていた。

「安倍晋三です」(笑)

ゲストが壇上に呼び出され勢ぞろいしたあとは、北野武監督が、イザベル・ジョルダーノユニフランス代表からの紹介に、少し照れながら登壇。そして期待どおりにいきなりギャグをかまし、会場は大きな笑いに包まれる。「どうも遅れましてすみません。安倍晋三です。今加計学園の問題でお金を貰ったっていう話があったのですが、絶対貰っていないって逃げてきたところです。会場を間違えまして、豊洲のほうへ行ってしまいまして、そこでベンゼンが出たっていうんで、築地に移動したんですけれども、また違うっていうんで、やっとたどり着きました」これに対して通訳が律儀に翻訳するも、当然ながらゲスト一同はキョトンとしており、その姿がまた可笑しく、会場はさらに笑いの渦が巻き起こった。

イザベル・ユペール

これは一体どうなるのだろうと観客が固唾を呑んで見守る中、そこはさすが“世界の”北野監督、ゲストにも気を配り、きっちりとスピーチを締めくくった。「今回は25回目ということですが、僕にとってフランス映画というのは、ジャン・ギャバンから始まって、セルジュ・ゲンズブールとジェーン・バーキンの『ガラスの墓標』、イザベルさんの映画、カトリーヌさんの『昼顔』『シェルブールの雨傘』とか、本当に影響を受けています。親子で楽しめる映画というのもいいのですけれども、映画というものは、観た後、友達同士、恋人同士、その映画を語り合ってお互いの観方を知り、教養を高める役目もあるものです。フランス映画というのは、そういう意味では、一番語りやすく、それだけ奥が深いものだと思います。今日こうして大女優さんと大監督が揃って25回目を迎えたことは、本当にお目出たいことですし、私もこの壇上で挨拶させてもらうことは、非常に光栄に思っております」

左からユペール、バーホーベン、サロメ会長、アンヌ・フォンテーヌ、ルー・ドゥ・ラージュ

4日間にわたる映画祭では、「フランス映画は腕を広げて色々な人を受け入れております。自由、クリエイティブさに飢えているというのが、このフランス映画の特徴であります」というイザベル・ジョルダーノユニフランス代表の挨拶のとおり、ベトナムからフランスに移住したトラン・アン・ユン監督、オランダ出身のポール・バーホーベン監督などの作品、カトリーヌ・ドヌーブ、カトリーヌ・フロが共演した『THE Midwife』(邦題『ル―ジュの手紙』)など、新作映画11本、クラシック作品として、アラン・ドロン主演の『チェイサー』が1本、バラエティに富んだ計12本の作品が上映される。

【フランス映画祭2017】

日程：6月22日（木）〜　25日（日）
場所：有楽町朝日ホール、ＴＯＨＯシネマズ 日劇（東京会場）
団長：カトリーヌ・ドヌーヴ
公式サイト：http://unifrance.jp/festival/2017/
主催:ユニフランス
共催:朝日新聞社
助成: 在日フランス大使館／アンスティチュ・フランセ日本／CNC／フランス文化省／フランス外務省
協賛: Procirep／ルノー／ラコステ／エールフランス航空／スターチャンネル
運営:ユニフランス／東京フィルメックス