『リトル・ボーイ 小さなボクと戦争』 俳優ケイリー=ヒロユキ・タガワさん

「ステレオタイプではない、日本人の心と魂を演じたい」

ーー少年ペッパー役のジェイコブ君との撮影はいかがでしたか?

LB_sub3ケイリー:僕の初めての映画が『ラスト・エンペラー』だったんだけど、4人の子たちの教育係の役だったから、子どもの相手は慣れています。その時も子どもたちと毎朝朝食を摂るようにして、自然に僕のことを信頼してくれるようにしていました。ハリウッドの現場は子どもに気を遣いすぎる。子どもをおだててしまうから、いばりだす。でも、僕はそういうことも分かっていたから、ジェイコブ君に「何があっても僕は君を助けてあげる。何か問題があったら僕に頼っていいよ」と最初に伝えていました。「それはちょっとダメだよ」って言えばちゃんとわかってくれたし、信頼関係ができていたので、自然な演技もできてうまくいきました。

ーー最後の質問ですが、役者をやっていてやり甲斐を感じるのはどんな時ですか?

ケイリー:世の中には「男性は強くあれ」という風潮があるが、それだけではなくやさしい面やデリケートな部分もあるということを役者は自由に表現できる。自分は日本人であることに誇りを持っていて、常に「日本人とはこうだよ」ということを演じたいと思っていました。これまで30年この世界でやってきたが、やっと後半戦が始まったところです。
今やっているのがAmazonのシリーズ “The Man in the High Castle”(原作「高い城の男」/フィリップ・K・ディック著)で、ドイツと日本がアメリカに勝っていたら・・・という話です。また、中曽根元総理とレーガン元大統領の話が新作映画として企画があがっていて、中曽根元総理役のオファーが来ているのでいろいろと調べています。まだまだこれから!

8月27日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ユーロスペースほか全国順次公開!
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ケイリー=ヒロユキ・タガワ Cary-Hiroyuki TAGAWA Profile

1950年9月27日、東京生まれ。
87年にベルナルド・ベルトルッチ監督作品『ラスト・エンペラー』で溥儀の教育係・張謙和に抜擢される。主な出演作品に『007/消されたライセンス』(89/ジョン・グレン監督)、『パール・ハーバー』(01/マイケル・ベイ監督)、『HACHI 約束の犬』(08/ラッセ・ハルストレム監督)、『47RONIN』(13/カール・リンシュ監督)などがある。

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