『更年奇的な彼女』クァク・ジェヨン監督インタビュー
–「若年性更年期」というのは以前からご存じでしたか?奥様が更年期障害だったとうかがっていますが、そのご経験がこの作品に与えた影響はありますか?
クァク:「若年性更年期障害」という言葉自体は、このシナリオを通して知りました。妻の経験については、更年期障害を理解するうえで助けになりましたね。『猟奇的な彼女』のころから、うちの妻はいろいろインスピレーションを与えてくれているんですよ。『猟奇的~』で酔ったヒロインをおんぶしてあげるシーンとか、ハイヒールを取り替えて履くシーンとか、私と妻との実際のエピソードを盛り込んでいました。
–強い女性がお好きなんですか(笑)?
クァク:好きだということではないですが(笑)、強い女性でありながら、そのなかに心の痛みを持っている女性を描くのが好きですね。
–これまで、強い女性とそれに尽くす男性の姿を好んで描いてこられましたが、監督が伝えたかったものは?
クァク:自分の近くにいる人こそ、本当に愛する人なんだということですね。普段からそばにいて優しくしてくれる人は、一緒にいてラクなので、その愛に気づかない。でも、その人が自分から去ってしまったときに、やっと愛を知ることもあるということを伝えたいと思っていました。
–ジョウ・シュンとの仕事はどうでしたか?
クァク:スタッフひとりひとりを気遣ってくれる本当にきさくな人。周りで現場の写真を撮っている人を見かけると、「撮るな~!」とフランクに声をかけたりするような一面もあります。あと、彼女はパーティを開くのがとても好き。撮影中に、相手役の佟大為(ドン・ダーウェイ)がある映画賞の助演男優賞にノミネートされて授賞式に出席したけれど、結局、張震(チャン・チェン)が受賞したということがあって。ジョウ・シュンが現場に戻ってきたドン・ダーウェイを元気づけようとパーティを開いてあげたんです。私に「何か一言」と言うので、「チャン・チェンさん、おめでとうございます」と言っておきました(笑)。最後に「ドン・ダーウェイ、愛しています」と付け加えましたが。