ジョン・ウィック

アクションのキアヌ・リーブスが帰ってきた!

JW_mainやったよ。こういうキアヌ・リーブスを何年も待ち望んでたんだよ。そう思わせる痛快なアクション映画が誕生した。個人的には2008年の『フェイク・シティ ある男のルール』以来の俳優キアヌの復活作品と位置付けていい内容だと思う。

キアヌの役は、最愛の妻を失い生きる希望を失くした元殺し屋ジョン・ウィック。葬儀の日に亡き妻から送られた犬のデイジーと暮らし、ようやく安らぎを感じだした数日後に暴漢数人に自宅を襲われ車を盗まれデイジーも殺されてしまい、封印した過去を解き放ち復讐に燃える・・・。

と、ここまで書くと普通のアクション映画と思ってしまいそうだが、この映画のアクションと世界観はとにかく荒唐無稽。最初は地味なキアヌが、襲われた後に全身黒のスーツ姿で現れた後はもうあれよあれよの急展開。格闘技と射撃を融合させたガン・フーというスタイルで息つく間もなく殴る蹴る撃つ。敵に対してこれでもかと至近距離で何発も撃ち込み、次から次へと殺しに殺す。もう笑ってしまいそうなくらい痛快極まりない。筋肉ムキムキのアクションとは違うクールな研ぎ澄まされたアクションをやらせたら、キアヌは超一流だ。『マトリックス』でキアヌのスタントダブルを務めたチャド・スタエルスキが監督という事もあり、マトリックス以降の彼のアクション俳優としてのキャリアの集大成がこの映画であると言っていいだろう。全身黒の恰好で派手な生活を好まない私生活でのキアヌとジョン・ウィックのキャラクターがピッタリとハマっていて、哀愁漂うジョン・ウィックのキャラクターとアクションの凄まじさにゾクゾクしてしまう。今後も語り継がれるであろう新たなヒーローの誕生を予感させる。

思うに、この映画を観て自分が最初に映画に触れた子供の頃を思い出したのが、この映画をこんなにも好きになった理由だろうと自分では理解している。ジョン・ウィックを見て、千葉真一やジャッキー・チェンやリー・リンチェイに夢中の男の子だった自分を思い出して懐かしい気持ちになった。そうだ、映画の面白さって元々こういう事なんだ、ストーリーの内容なんてどうでもよくて、見て分かりやすくてスカッとするのが映画なんだ。大人になって知的な映画にも魅かれたけど、自分の原点ってここなんだ。いつまでたっても男って子供ね、なんて言われてもこういう映画の魅力に勝てるものなんて実はそうはないんだという事を堂々と認められるのが、本当の大人になったって事じゃないかと声を大にして言いたい。

この映画、既に続編の制作も決まっているそうで、アクションのシリーズ物としては『イップ・マン』以来の期待作となる事は間違いないだろう。恋愛映画のキアヌもそれはそれでいいのだろうけど、そっちにばかりキアヌを持っていかれるのは絶対に惜しい。恋愛映画を素直に見られなくなるくらいに大人になってしまった自分にとっては、少年の心を取り戻させてくれるアクションのキアヌを見るのがちょうどいい様だ。

Motion Picture Artwork © 2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights
Reserved. © David Lee
10月16日(金)、 TOHOシネマズ新宿ほか全国公開!

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  1. 映画感想 * FRAGILE

    ジョン・ウィック/キアヌ・リーブスは中二病の神へと返り咲けるか

    ジョン・ウィックJohn Wick/監督:チャド・スタエルスキ/2014年/アメリカ、カナダ、中国 「お前はとんでもないヤツを怒らせたようだな……」 完成披露試写会で鑑賞。公開は10月16日です。 なぜ「中二病の神」とタイトルにつけたかというと、『マトリックス』を見て黒いロングコートとサングラスを買っちゃった人たちを目の当たりにしていたためで、中二病を否定的にとらえているのでなく、そういう行動をとらせてしまう映画の力! みたいなのを『ジョン・ウィック』にも感じたからです。 あらすじ:愛犬殺されたので…

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