【TIFF_2014】ラインナップ発表!

宮沢りえ主演『紙の月』を含むコンペティション作品全15本を紹介
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左から吉田大八監督、中谷美紀さん、椎名保氏(TIFFディレクター・ジェネラル)

10月23日から開催される東京国際映画祭(TIFF)。六本木ヒルズで上映されるコンペティション部門には、世界中からさまざまなジャンルの作品15本が集まった。トルコ近隣のアゼルバイジャンから届いた作品など、多彩なラインナップに注目したい。プログラミング・ディレクター曰く、今年の作品に通底するテーマは「追いつめられる人々」とのこと。変わりゆく社会の影響を受けながら、人々はその状況とどのように向き合っていくのか、追いつめられた人々がいかに次に進むか、明日をどう生きるかということを描いた作品が多いという。
日本からは『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督の新作『紙の月』(角田光代原作)が選出された。7年ぶりに映画主演を務めた宮沢りえの演技を、吉田監督は「彼女の表情の変化というものが自分の想像を超えていて、それを目の当たりにできたのは感動的な経験だった」と絶賛。また映画祭については「映画について色んな人と話し合えるようなエネルギーが高まる場所であればいいなと思うし、このような形で参加できるのはとても嬉しい」と期待を語った。
今年のフェスティバル・ミューズを務めるのは、女優の中谷美紀。「映画を愛するものとして、東京を愛するものとして、何か貢献できればと思っています。人知れず作られたような小さな作品にも注目していきたい」と笑顔で意気込みを語った。
東京国際映画祭は10月23日〜31日まで六本木ヒルズ他にて9日間開催
チケットは10月11日(土)よりticket boardにて発売開始!


▼コンペティション作品紹介

『1001グラム』(ノルウェー=ドイツ=フランス)
tiff20141監督:ベント・ハーメル
出演:アーネ・ダール・トルプ、ロラン・ストッケル、スタイン・ヴィンゲ
「キッチン・ストーリー」「ホルテンさんのはじめての冒険」のベント・ハーメル監督新作コメディ。各国に重量の基準となる1キロの塊が保管されている。それを保管する測量研究所に勤務するヒロインの心の揺れ、成長を描く。物理的な重さがモチーフになりながら、彼女は心の重さを体験していく。北欧デザインのようなシンプルな美しさ、ユーモアに溢れた作品。

『マルセイユ・コネクション』(フランス=ベルギー)
tiff20142監督:セドリック・ジメネス
出演:ジャン・デュジャルダン、ジル・ルルーシュ、セリーヌ・サレット
1970年代後半に実際に起きた麻薬組織と検察の闘いを描く。「フレンチ・コネクション」を彷彿させる作品で「アーティスト」のジャン・デュジャルダンがタフで人間的なキャラクターを熱演。また、フレンチ・ルノワールに欠かせないジル・ルルーシュがマフィアのボス役としてキャスティングされている。ノンストップで展開するサスペンス・アクションドラマ。

『来るべき日々』(フランス)
tiff20143監督:ロマン・グービル
出演:ロマン・グービル、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、マリナ・ハンズ
自ら映画監督を演じる、ロマン・グービル監督の自伝的ドラマ。映画について語る一方で、自らの老いに直面したりしながら映画人としてのキャリアを描いていく。フィクションとドキュメンタリーが見事に融合したヒューマンドラマコメディ。

『神様なんかくそくらえ』(アメリカ=フランス)
tiff20144監督:ジョシュア・サフディ、ベニー・サフディ
出演:アリエル・ホームズ、ケイレヴ・ランドリー・ジョーンズ、バディ・デュレス
アメリカのインディペンデント界期待の新鋭兄弟監督、ジョシュア&ベニー・サフディの新作。NYマンハッタンのストリートを舞台に、ジャンキーたちの生態を生々しく描く。ヒロインのアリエル・ホームズが自分の実体験を演じており、リアリティと迫真さに溢れた作品。

『アイス・フォレスト』(イタリア)
tiff20145監督:クラウディオ・ノーチェ
出演:エミール・クストリッツァ、クセニア・ラパポルト、アドリアーノ・ジャンニーニ
イタリア北部の雪に覆われた小さな村が舞台のスリラー。発電所にまつわる陰謀に巻き込まれていく男性技師の姿を描く。現代のヨーロッパが抱える根深い問題をテーマに、独特の映像で表現。主演は有名監督のエミール・クストリッツァで圧倒的な存在感を発揮。

『ザ・レッスン/授業の代償』(ブルガリア=ギリシャ)
tiff20146監督:クリスティナ・グロゼヴァ、ペタル・ヴァルチャノフ
出演:マルギタ・コシェヴァ、イヴァン・ブルヘフ、イヴァン・サヴォフ
小学校の女教師が主人公のサスペンス・ドラマ。教室でお金が盗まれ、お金についてのモラルを生徒に教えようとするも、プライベートでは夫が作った借金でトラブルに巻き込まれ、追い込まれていく。公私の皮肉な展開を描いた作品。

『ロス・ホンゴス』(コロンビア=フランス=ドイツ=アルゼンチン)
tiff20147監督:オスカル・ルイス・ナビア
出演:ジョバン・アレックス・マルキネス、カルビン・ブエナベントゥラ・タスコン、グスタボ・ルイス・モントジャ
スケボー少年の友情と成長を描いた、さわやかな青春物語。若者文化のみならず、彼らの生活のなかに政治や宗教の要素が自然に織り込まれた、新鮮な感動をよぶドラマ。

『メルボルン』(イラン)
tiff20148監督:ニマ・ジャウィディ
出演:ペイマン・モアディ、ネガル・ジャワヘリアン、マニ・ハギギ
アスガー・ファルハディ監督作品の系譜といえる新人監督ニマ・ジャウィディの作品。記念すべき旅立ちの日を迎えたカップルに突如襲いかかるアクシデントを描く。シンプルな設定ながら、緊張感に満ちたハラハラしっぱなしのサスペンス。「別離」で夫役を演じたペイマン・モアディが主演。

『マイティ・エンジェル』(ポーランド)
tiff20149監督:ヴォイテク・スマルゾフスキ
出演:ロベルト・ヴィエンツキェヴィチ、ユリア・キヨフスカ、アダム・ヴォロノヴィチ
TIFFコンペは「ダーク・ハウス/暗い家」(09)以来2度目の参加となるヴォイテク・スマルゾフスキ監督の新作。成功を収めている作家が、自分のアルコール依存症体験を語った、リアルで強度のある衝撃作。時制の変動やテンポの早い編集に個性が際立つ作品。

『ナバット』(アゼルバイジャン)
tiff201410監督:エルチン・ムサオグル
出演:ファテメ・モタメダリア、ビダディ・アリエフ、サビル・ママドフ
トルコ近隣に位置するアゼルバイジャンからの出品作。不安定な情勢のもと、丘の上の小さな家に残された老女の姿を描く。実話からインスパイアされた物語で、主演女優の存在感と長回しのカメラワークが印象的。

『紙の月』(日本)
tiff201411監督:吉田大八
出演:宮沢りえ、池松壮亮、小林聡美
衝撃のベストセラー小説が、吉田大八監督によって遂に映画化。不自由のない生活を送っていた平凡な主婦が、巨額の横領事件を起こす。人間観察の鋭さ、演出の巧みさが光る作品。主演・宮沢りえがみせる迫真の演技に注目。

『破裂するドリアンの河の記憶』(マレーシア)
tiff201412監督:エドモンド・ヨウ
出演:チュウ・チーイン、シャーン・コー、ダフネ・ロー、ジョーイ・レオン
エドモンド・ヨウ監督の長編デビュー作。港町に暮らす高校生たち。幸せなデートも束の間、大人の事情で別れを迫られる。ほろ苦い高校生の恋愛物語ながら、社会的な視点と歴史的な広がりを感じさせる青春映画。

『遥かなる家』(中国)
tiff201413監督:リー・ルイジン
出演:タン・ロン、グオ・ソンタオ
幼い少年たちの姿が心を打つ作品。中国辺境の地で、放牧に出ている父を探しに行く幼い兄弟の過酷な旅を描く。ほのぼのとした描写もある一方で、変わりゆく大地と変わりゆく人々に対する厳しい現実が胸に迫るドラマ。

『壊れた心』(フィリピン=ドイツ)
tiff201414監督:ケヴィン・デ・ラ・クルス
出演:浅野忠信、ナタリア・アセベド、エレナ・カザン
詩人でミュージシャンという側面も持つ多才な監督ケヴィン・デ・ラ・クルスの新作。フィリピンのスラム街を舞台に、浅野忠信扮する冷酷な殺し屋とひとりの娼婦の逃避行を描く。ロックオペラのような音楽と名手クリストファー・ドイルによる撮影が印象的で、混沌とロマンチシズム漂う愛の物語。

『草原の実験』(ロシア)
tiff201415監督:アレクサンドル・コット
出演:エレーナ・アン、ダニーラ・ラッソマーヒン、カリーム・パカチャコーフ
カザフスタンの広大な草原地帯で、やんちゃな父と静かな日々を送る美しい娘に2人の青年が恋をする。三角関係の描写から、まったく意外で衝撃の展開を迎える異色のラブストーリー。セリフはほとんどなく、計算され尽くしたカメラワークと個性的な映像美で描ききる。


【第27回東京国際映画祭】
開催期間:10月23日(木)〜10月31日(金)の9日間
会場:六本木ヒルズ、TOHOシネマズ日本橋、歌舞伎座
公式サイト: http://www.tiff-jp.net

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