「エクリプス/トワイライト・サーガ」ヴァンパイア映画界の“オニ盛りスイーツ” ： 映画と。

人間の少女とヴァンパイアの青年の恋愛を描いて世界中で大ヒットした『トワイライト～初恋～』。続編『ニュームーン/トワイライト・サーガ』を経て、２人の関係はますます盛り上がり、全世界のティーンたちの心をがっちりつかんだままシリーズ第３弾『 エクリプス/トワイライト・サーガ 』の公開と相成った。

これは「まだ汚れていなかったセーラー服時代のピュアな気持ちを思い出して、ティーンたちと楽しみを分け合うのが正解よ！」と思い誤り、もとい、思い立ち、勇んで映画館に乗り込む。果たして『エクリプス』は人間とヴァンパイア、それに人狼の青年との三角関係がさらに深化。乙女たちには「キャー！」、旧乙女にも「ぎゃー！」な甘い言葉の応酬で、直視できないほどスイートな恋模様が展開する。

そう、激甘。今作はコンビ二のデザートコーナーを賑わす“オニ盛りスイーツ”ばりの糖度を誇る。シリーズ１作目は地味な女子高生ベラ（クリステン・スチュワート）とヴァンパイアのエドワード（ロバート・パティンソン）の出会いから、凶悪なヴァンパイア集団との死闘までそれなりの迫力を伴って展開した。２作目もイタリアに舞台を移すスケールの広がりを見せたが、さて今作はというと、舞台は田舎町にとどまり、ベラとエドワード、それにべラの幼馴染みでオオカミ族のジェイコブとの三角関係がもつれにもつれるのである。ベラの命を狙う新生ヴァンパイアたちとの戦闘シーンはあるものの、メインはくどいようだが恋愛模様だ。アクションシーンだって、ラブストーリーを盛り上げるためのエッセンスのひとつになっている。

そもそも、ホラー的要素の薄い“純愛”を前面に押し出してティーンを中心に人気を博したという、ヴァンパイアものとしては異色の『トワイライト』シリーズ。『エクリプス』の甘さ全開の世界は、スケールダウンというよりむしろ、本シリーズの「真骨頂」を見せたとも言える。ハマれるかどうかが鍵になるが・・・。

オススメ度：★★★☆☆

Text by:新田理恵

【原題】The Twilight Saga:Eclipse
【監督】デヴィッド・スレイド
【脚本】メリッサ・ローゼンバーグ
【原作】ステファニー・メイヤー
【出演】クリステン・スチュワート、ロバート・パティンソン、テイラー・ロートナー、ダコタ・ファニング、ブライス・ダラス・ハワードほか
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『エクリプス/トワイライト・サーガ』オフィシャルサイト
http://www.the-twilight-saga.jp/eclipse/